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2024.1.9

JLPGA 新しいヒロイン《95期生・神谷 そら》

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

かみや・そら=2003年4月18日、岐阜県土岐市出身

 可能性は無限大。神谷そらはプロ2年目の2024年、蓄積した記憶をたどりながら、ショートゲームを鍛錬中だ。「去年、試合で見て学んだことを今年、私のものにするためです」と今オフ、最重点テーマへ掲げた。

 柔和な表情がいい。形式通り、23年を振り返ってもらうと、「上デキでした。シード権獲得が目標だったし、まさかツアー初優勝、それから日本女子プロゴルフ選手権まで…」。ごく控えめに語った。

 年齢から考えれば、勢いで突っ走ることが良いのかもしれない。ところが、思慮深さが特性のひとつになった。最初の受験だった、21年最終プロテストで失敗したことが、ターニングポイントに。捲土重来を期した翌22年、見事にトップ合格を果たした。

 ツアープロになって、「先輩プロの皆さんと、ロープの内で一緒にプレーできた。すべてが勉強です。見たもの、お話をしたことなど、ヒントをみつけて練習ラウンドで実践。去年は学ぶことばかりでした。また、試合のコースの情報、人とのつながり。社会人1年目ですからね」。社会人という表現を添えたことで、地に足がついていることがわかる。

 優勝に対しての受け取り方も、他のルーキーとはちょっと違う。「優勝してから、試合でトッププロ、優勝を経験した先輩プロの皆さんと同組でプレーさせていただくペアリングが増えました。プロアマ戦の出場も当然ですけど、優勝するって本当にすごいことだなぁ。勉強する機会が増えました」という。

 最も印象に残るのは山下美夢有だった。「ゲームプランは違います。でも、総合力がすごい。欠点がありません。特にグリーンまわりのプレーなどが目に焼き付いています。調子があまりよくなさそうでも、アンダーパーでプレー。ご一緒していて、いつの間にか私まで、ギャラリーになってしまったことが何度もありました」と、うれしそうに話している。

 というわけで、オフはスコアメークに欠かせないショートゲームの鍛錬が最優先となったわけだ。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAアワードでは、『JLPGA明治安田生命 新人賞』へ輝いた。ツアー2勝の内、強烈なインパクトを与えたのは、アジアナンバーワン決定戦と位置付けられた、日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯だろう。

 最終日、小祝さくらとのマッチレースを制し、さらに追い上げた山下、西郷真央などをねじ伏せた。とにかく、強い。一方で、300ヤードを超えるビッグドライブを披露するなど、圧巻の内容。シーズンを通じ、ドライビングディスタンス1位も特筆すべきことだろう。

 「飛距離がもっと伸ばせるなら、それはありがたいことです。だけど、今の優先順位からすると、飛距離は低い方…」と説明した。ゴルフに限らず、スポーツ界でよく、いわれる2年目のジンクスもちょっと気になる。

 「去年のシーズンが終わったころから、よくいわれることですけど、私にはよくわかりません。だって、私は何も変わっていませんから。23年に得た経験を生かして、いろいろなことへ挑戦したい」。新しいスタイルのヒロインを模索する。

(青木 政司)

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