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2024.1.29

JLPGA新しいヒロイン《96期生・政田 夢乃》

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

まさだ・ゆめの=2000年7月28日、北海道札幌市出身

 北海道のゴルファーにとって、冬はあまりにも長い。何しろ積雪のため、11月から4月までクローズになるゴルフ場が一般的だからだ。芝生の上からボールを打ちたければ、雪が積もっていない地域まで遠征しなければならない。しかし、政田夢乃はあえて北海道で冬を過ごすようにしていたという。

 「冬は暖かい室内でスイングづくりやトレーニングに励む時期だと割り切っていました。春になってラウンドできるありがたみも感じますしね。それも北海道のいいところです」。逆境をプラスに考えられる人間は強い。政田はジュニア時代に2度の全国制覇を成し遂げている。

 中学2年生で全国中学校ゴルフ選手権を制し、高校2年生で全国高校ゴルフ選手権を制した。同学年には古江彩佳、吉田優利、安田祐香、後藤未有、阿部未悠ら強敵を抑えての優勝だけに、どれほどの実力だったかうかがえる。高校を卒業した年にプロテストを受験。最終プロテストまで進んだが、最終日にスコアを崩し、合格ラインに1打及ばず涙をのんだ。

 「最終プロテストのときはすごく調子が悪かったんです。悔しさもありましたが、仕方がないと思い、翌年に向けて気持ちを切り替えるようにしました」。すぐにリベンジすると思われたが、手首のケガなどもあり、思うようなゴルフをできない日々が続く。それでもあきらめることなく、挑戦し続けた結果、昨年のプロテストでようやく合格を果たした。実に5度目の挑戦だった。

 「年数を考えると長くも感じますが、私としてはいろいろと成長できた期間だと思います」。元々ショットには自信はあったが、そのショットを活かすためにもマネジメントを研究した。ピンに対してどういう球筋で攻めるのがベストなのかを常に考え、時にはあえてピンを狙わずにグリーン中央を狙うようにもなった。攻め方のバリエーションを増やしたことで、無駄なボギーを打つことも少なくなり、バーディーの数が増えた。実戦でこそマネジメントが試されると思い、昨年出場した試合はミニツアーなど小さなものを合わせると20試合を超えたという。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 そして今年はついにツアープロとしての第一歩を踏み出す。QTランキングが147位と下位にいるため、主戦場はステップ・アップ・ツアーとなる。アマチュア時代に何回か出場したことはあるが、当時より試合数も増え、層も厚くなっている。その中でいかに賞金ランキング上位に食い込むかが課題だ。

 「ドライバーの平均飛距離が235ヤードなので、それを240ヤード、できれば250ヤードまで伸ばしたいですね」。たとえ1ヤードでもいいから飛距離を伸ばしたいというのが本音ではあるが、そのためにも、このオフは原点に戻って筋トレに励んでいる。身長154センチと小柄な体でも遠くへ飛ばすには、パワーアップはマストだからだ。飛距離が伸びれば、また新たなゴルフスタイルを見つけることができるかもしれないだけに、気合も入る。

 プロゴルファーには珍しい夢乃という名前だが、『夢汚れなく、道進むべし』という言葉に由来する。「夢に向かって突き進んでほしいという両親の願いが込められているそうです」。幼い頃から心に抱いていたプロゴルファーになる夢は叶えた。政田にとって現在の夢は、地元・北海道で開催されるトーナメントで優勝すること。その夢に向かって突き進むためにも、まずはステップ・アップ・ツアーで結果を残して見せる。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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