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2024.1.30

JLPGA新しいヒロイン《95期生・髙橋 しずく》

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

たかはし・しずく=2000年9月29日、神奈川県座間市出身

 ツアープロのスポーツ歴を見ると、幼い頃からゴルフ一筋に打ち込んできたタイプもいれば、複数のスポーツを経験してきたタイプもいる。まさに人それぞれだが、髙橋しずくは後者だった。「父の影響で冬はスキーをしていました。ゴルフと同じ時期だったので、5歳ぐらいから始めたと思います」。雪国出身ではないにもかかわらず、合格率が30パーセントと言われるスキー検定1級を保持しているのだから、かなりのレベルであることは間違いない。また、中学時代は陸上部に3年間所属し、長距離を専門としていたという。どちらも下半身強化にはもってこいの競技であり、ゴルフにも好影響をもたらしていたのだろう。高校2年生で出場した関東高校ゴルフ選手権夏季大会を制している。

 高校卒業後は、静岡県の朝霧カントリークラブで働きながら腕を磨き、プロテストは4度目の挑戦で合格となった。「思っていたよりも時間がかかった印象です」。1回目のプロテストに失敗した後、現在も師事している大本研太郎コーチに教わるようになったが、当初は大本コーチの理論を把握して切れていなかった。翌年ぐらいからようやく体に染みついてくるようになり、自身のゴルフスタイルを確立できた。それがプロテスト合格につながったわけだが、現在、髙橋はある悩みを抱えている。

 「将来の目標を聞かれてもはっきりこれだと言い切れるものがないんですよね」。高校を卒業してから4年間、ひたすらプロテストの合格だけを考えてきた。そのラインを越えなければ次のステップには進めないという思いもあった。ところが、いざ合格してみると、次の目標をどうしたらいいのか戸惑う自分がいることに気がついたのだ。もちろん、JLPGAツアーに出たい、優勝したい、賞金をたくさん獲得したいという漠然とした目標はあるが、プロテスト合格のようにピンポイントの目標はない。ただ、開幕が近づけば自然とモチベーションも上がってくる可能性は大きい。実際、先を見据えての準備はしっかり行っているという。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 「下半身と体幹の強化を目指して、このオフはトレーニングに取り組んでいます。飛距離アップやショットの安定性にも関係ありますし、パッティングも体幹で打ちますからね」。できれば、ドライバーの飛距離を250ヤード近くまで持っていきたいだけに、トレーニングの効果に期待する部分は大きい。昨年同様、今季もステップ・アップ・ツアーがメインとなるが、興味深いデータがある。昨年は同ツアーに15試合出場し、前半の8試合で予選通過したのはわずか1試合だったが、後半の7試合では6試合で予選を通過している。

 「最初はツアーの雰囲気に馴染めなかったんです。子供の頃、トーナメント観戦したときに活躍していた選手と同じ組で回ることにドキドキしたりして」。後半になってようやくドキドキ感もなくなり、自分のゴルフをできるようになったものの時遅く、賞金ランキングの上位には食い込めなかった。それでも、1年間プロとして戦った経験は大きい。「今までは当たり前のようにティーショットでドライバーを手にしていましたが、得意距離を残すために3番ウッドを選択したり、ピンを狙いやすいことを考えてティーショットの落としどころを決めるようになりました」と、マネジメント力の向上に手応えを感じている。悩んでいた将来の目標が見つからないことに関しても、結果がついてくれば自然と明確になってくるはず。そのためにも今はゴルフ力の底上げに全精力を注ぐだけだ。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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