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2024.2.2

JLPGA新しいヒロイン《96期生・與語 優奈》

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

よご・ゆいな=2004年9月28日、愛知県長久手市出身

 與語優奈がトーナメント会場へ初めて足を運んだのは10歳のときだった。父親の影響でゴルフを始めたこともあり、自宅近くで開催された中京テレビ・ブリヂストンレディスを観戦しに行ったのだ。その際に衝撃を受けたのが、イボミのプレーだった。「ティーショットは曲がらないし、セカンドショットはピンそばに。パッティングも上手で、とにかくすごいな」。その年、イは年間7勝を挙げ、賞金女王のタイトルを獲得している。まさに絶頂期であり、ゴルフを始めたばかりの與語の目には異次元のプレーに映ったのかもしれない。

 中学へ進むと、地元・愛知県では2つの大会を制し、3年時には日本ジュニアゴルフ選手権で3位タイへ入った。最初は試合に出ること自体が楽しかったが、勝つことによって次第にもっと上手くなりたいと思うようになり、いつしかツアープロを目指すようになった。となれば、高校は練習環境に恵まれたところがいいと考え、通信制のECC学園高校に進学。ほぼ毎日のようにゴルフ場でラウンド練習を行ったという。「芝の上からボールを打てるのが大きかったですね」。午前中は主にドライビングレンジで練習し、午後から夕方まではゴルフ場での練習に時間を費やした。もちろん、勉強もしなければいけないので、夕食の後に集中して行った。與語は同校ゴルフ部の1期生であり、タイトルこそ獲得できなかったが、全国高校ゴルフ選手権春季大会では2位タイに入っている。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 高校3年生でプロテストを受験したが、独得の雰囲気にのまれ、第2次予選で失敗。昨年、見事にリベンジを果たし、15位タイで合格した。残念ながら昨年のQTファイナルステージでは79位だったので、今季はステップ・アップ・ツアーが主戦場となる。「まずは1勝を目指して頑張りたいです」。そのためには、いくつか課題がある。一つがパッティングだ。「プロテスト前から3パットが多かったので、ロングパットの距離感を磨きつつ、カップを大きくオーバーした時のショートパットをしっかり決めたいです」。並行してショットの精度も上げていく。

 「特にショートアイアンですね。パー5の第3打に残る距離とか、ウェッジで打つ距離の誤差を小さくしたいです」。目標が具体的なのは、それだけアイアンショットに元々自信があるからだ。得意クラブの9番アイアンではグリーンの状態に関係なく、1ピン以内につけることを自らに課す。あえて気になるとしたら、ドライバーの平均飛距離だろう。身長168センチでリーチも長いにもかかわらず、230ヤードだという。「もうちょっと飛ばしたいとは思いますが、昨年のオフにしっかりトレーニングをしたことで伸びてはいるんです」。今年のオフもトレーニングで飛距離アップを狙うが、こちらの方が大きな課題かもしれない。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 将来的にはイのように常に上位で戦い、大観衆に囲まれた中でプレーしたい気持ちは強い。「ジュニアの試合では関係者しかいない試合が多かったので、それが一番楽しみです」。強い選手に共通するのは、ギャラリー数が多ければ多いほど自分の力を最大限に発揮するところだ。そのような状況を迎えたとき、果たして與語はどういうゴルフを見せてくれるのだろうか。ツアープロとしての人生はスタートしたばかり。可能性は無限にある。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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