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2024.2.9

JLPGA 新しいヒロイン《95期生・千葉 華》

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

ちば・はな=1999年6月25日、沖縄県那覇市出身

 プロ2年目。飛躍の時だ。QTランキング22位。第1回リランキングまでJLPGAツアーの出場権を確保した。となれば、力が入らないはずなどない。しかし、あくまでも身の丈を最優先にオフを過ごしている。

 テーマは、何と「無理をしない」。その理由といえば、「皆さん、シーズン開幕へ向け、ガンガンにトレーニングを積んでいるでしょう。だけど、それが必ずしもいい結果を生むとは限らない。去年、こんな記事を目にした。セキユウティンさんが、トレーニングに励み、練習をし過ぎたというもの。がむしゃらに体を動かして筋肉をつけるとか、いろいろあるでしょう。去年、シーズンが終わって、いろいろと参考にして、私なりにいろいろと考えた。見た目に変化はなくても、私はじっくりと考えながら進めたい」が結論だ。

 4回の受験を経て22年、5度目のチャレンジで最終プロテストへ合格。23年はさまざまな経験をしている。「いろいろな経験ができた。私に足りないところが明確になってきたと思います。それまで、アプローチが苦手でした。しかし、ツアーではセッティング、ピンポジションがすごく難しい。一筋縄ではいかないことがたくさんあった。そういう面ではアプローチが少し、上手になったのかもしれませんね」という。

 一方で、飛躍的に進歩がうかがえるのは外ではなく、内面だ。「考えることが楽しい。うまくいかない場合、どうしたらいいのか-と立ち止まって考える。すべてとはいえないけど、謎が解け、答えがひらめいたときなどの爽快な気持ちなどが心地いい」と、うれしそうに話す。

 もっとも記憶に残るのは資生堂レディース。「1週前に出場が決まりました。毎年、ルーキーを優先的に、スポンサーさんが声をかけてくださるそうです。本当にありがたかった。そうはいっても、当週は日本女子オープンの予選があり、三重から神奈川まで移動して試合へ。ちょっとバタバタだったけど、調子はまずまずでした。メディアの方から第1日、第2日はインタビューなどの取材を受け4日間、戦うことができたからよけい印象に残っている。さらに小祝さくらさん、吉田優利さんなど、トップの選手とご一緒できて、ギャラリーがたくさん。うれしかった」と前置きし、「プレーがサイボーグのように正確でした。それからとてもシンプルなスタイル。本当に勉強ばかりです」と振り返る。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 ゴルフ歴は5歳から。「家族がゴルフを、というわけではなかった。ちょっと遊びに、という感じで練習場があり、スクールへ入ったら高校、中学のお姉さんたちがたくさんいて、一緒にお話をすることが楽しい。ボールを打つのは二の次でしたけどね」の環境が幸いしたともいえるだろう。転機が訪れたのは高校3年。「一人暮らしをするようになって、将来のことをいろいろ考えるようになった。競技のゴルフって、私はあまり楽しいとは思わなかったけど、総合的に考えると、私にはゴルフしかない、という決断になったわけです。やらされていた感じから、やり通す-へ気持ちが大きく変わったと思う」が、大きな成長である。

 得意クラブは1Wだ。これには、天賦の才もあった。「クラブで一番、長い。当然、難しいですね。だから私、打球は曲がるものだという気持ちで打ちます。もし、曲がらなければラッキー。アマチュアの頃から、ずっと同じ考えでいる。1Wの練習時間が一番、少ないと思う。もう少し飛距離が出れば、と考えることもあるけど、もし精度が落ちれば、得意なものが消されてしまいます。絶対に信頼できるものは1W。新たなスイングをつくる段階にはありません」と説明した。

 とにかく、思慮深い。すべての物事をとことん考え抜いて今日を迎えた。「最終プロテスト、QT、それから試合・・・。実力の世界で私がここにいていいのかなぁと考えてきた。ずっと控えめに。なぜなら、気持ちをコントロールすることが上手ではないからです。イケイケで行って、ガーンと落ちるとダメージが激しい。だからいつも感謝を忘れずにこれまで通り、控えめでいきます」。ちなみに、好きな言葉は、「あきらめない。この言葉は5歳から大事にしている。実は、すごく負けず嫌いなんですよ。シーズン中は絶対、いわないけど」と、勝負に生きる源を少しだけ、垣間見せた。

(青木 政司)

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