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2024.2.11

JLPGA 新しいヒロイン《96期生・上久保 実咲》

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

かみくぼ・みさき=2005年10月12日・京都府宇治市出身

 気がつけば、プロになっていた。ゴルフ歴は9年。23年、最終プロテストで一発合格を果たす。卒業を目前の高校3年生。一段と視野がワイドになっている。

 さながら、天職についたとはこのことだろう。プロテスト受験数は698人。1次テストから勝ち抜き見事、21人の合格者へ名を連ねた。合格率3%という超難関である。

 「父と兄がゴルフ練習場へ行き、私はついていっただけです。気がついたらクラブを握り、今も続いている。それで、いつの間にかプロになっていた」。心中をストレートに表現した。これが自然の流れだったのかもしれない。

 取材時、テーブルには自書のプロフィールを置いていた。まっ先に目へ飛び込んできたのは、きれいな文字であり、ちょっと書くのを手間取りそうな、あまり使用しない漢字が書かれていたことだ。「凄く」、「漫画」など。

 気がつくところをストレートに質問をすると、少し手間取ったらしい。とはいえ、すべて学習の賜物だ。「母が、勉強をしなさい。そう繰り返し聞かされました。将来、どういう道を選ぶにしても、たくさんのことを知っておけば、選択肢が増える。ゴルフを頑張る。勉強も頑張る。何事も自分自身が選ぶ。これが大切だと・・・。だから、すべてのことをそれなりにやってきた」という。

 奈良育英高等学校を選んだのは、ゴルフ部があることが第一の理由。「普通科があるし、大学進学の勉強ができる」ためだ。人生は長い。ゴルフだけに絞ると、もし希望が叶わなかった時は一大事。昨今、プロ志望者はプレーすることを最優先するため、通信制を選ぶケースが多い。しかし、上久保家では、それを良し-とはしなかった。

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>


 23年を振り返ると、それほど調子が良かったわけではない。ジュニアの競技会では思うように成績が上がらなかった。ただ、最終プロテストの前週、ステップ・アップ・ツアーの静ヒルズレディース森ビルカップで、ベストアマへ輝く。

 「指導を受ける中嶋常幸プロに、結果が出ないのはどうしてですか、とうかがった。その時、ゴルフはコースと戦うものだろう、とおっしゃってくだった」といい、「ハッとしました。試合では周囲の人ばかりを意識しすぎたことに気がついたんです。だから最終プロテストはコースとの勝負に徹した。パープレーなら引き分け。オーバーパーだったら、私の負けで、それが元々のプレースタイルですから」と続けた。意識を変えることで一変。モヤモヤした気持ちが解消し、一発合格を果たしたのである。

 もちろん、職業として選択したのだから、ゴルフは一番好きなことに違いない。次に好きなものは美術。「絵を描くことが楽しい。去年までコロナ禍が続いた。当然、自宅にいる時間が長い。絵をたくさん、描いた。コピックというペンを使い、とにかく毎日です。コロナが大変だった頃、ゴルフの練習は最低限にして、外出を自粛。時間ができたから、思うようにペンをとった。丸一日、絵を描いていたこともたくさん」と、前置きし、「両親が美術関係の仕事についている。その影響が大きいと思います。画材が家にありましたから」と明かしていた。

 補足すると、コピックとはアルコールをベースにした染料インクを使い、透明感が高く、発色がきれいだ。また、建築パースとは、建物の室内、外観を立体的に表現した完成予想図。

  コロナ禍で描いた作品を拝見したが、それはもう見事だった。「皆さんが応援してくださる選手になることが目標です」。24年は社会人一年生のスペシャルイヤーだ。

(青木 政司)

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