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2024.2.13

JLPGA 新しいヒロイン《95期生・池ヶ谷 瑠菜》

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

いけがや・るな=2003年7月26日、三重県四日市市出身

 プロ2年目がスタートした。前年と比較すると、表情が違う。練習量も格段に増えた。というのも、壮大なテーマを抱えているから。「うまい選手ではなく、強い選手になるためです」と頼もしい。

 23年は飛躍のための大いなる1年間だった。「いろいろなこと。いいことも、悪いことも経験しました。振り返れば、昨オフは取り組み方が行き当たりばったりというか、もうちょっとやりようがあったのでは・・・。昨年末にじっくりと思い起こして、ひとつひとつを考えた。ルーキーだから仕方がなかったと片付けることは簡単でしょう。だけど、それでは同じことを繰り返すかもしれません。検証して自分を見つめ直す、いい機会でした」と話している。

 22年の最終プロテストで合格。QTランキング40位で、JLPGAツアー21試合に出場した。「前半の4日間大会以外は、ほとんどウェイティングで出場。前年までウェイティングはコロナ禍の影響で電話連絡だったそうですけど、実際に現地で待つのは大変でした。出場できなければ経費だけがかかる。それでも実際に、トップ選手の練習などを拝見しながら、一緒にコースで練習ができた。ふんいきを感じることも。先行投資として考えると、良かったと思います」という。

 最も成績が良かったのは楽天スーパーレディースの19位タイ。「最終日の18番、ピン奥5メートルのバーディーが決まった。この試合、特にパッティングの調子がよく、あの1打は絶対に決める-執着心があったと思います」と、頷きながら答えた。

 記録的な猛暑にもかかわらず、試合を求め西へ、東へ-と。「夏場は大変でした。食欲がなくなって、気がついたら10キロも痩せて・・・。試合では週初めに2日間、指定練習日があります。ペース配分が難しい。フルにやっているとスタミナ切れになってしまうこともあった」そうだ。身をもって経験したことは、今季に生かす。

 QTファイナルステージは65位ながら、「ゴルフをしたなぁ。23年の総括としてすごく意義がある1週間でした」と前置きし、「名門の葛城ゴルフ倶楽部で、しかも強風が吹くタフなコンディション。それまで私のウイークポイントはパッティング、と思い込んでいたけど、それだけではありません。前半戦、ショットは普通の下ぐらいで、戦えないことはない、と思ったけど、葛城では思い通りにいっても、ショートゲームでピンへ寄せられない。オフに何をすべきかが明確になった。だから、あの順位で良かったです。もし、うまくいってもう少し上の順位だったら、去年と同じことを繰り返したかもしれない」と現状を把握した。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 24年はランキングから察すると、ステップ・アップ・ツアーが主戦場。「下積みって重要なことでしょう。私は唯一の息抜きはフェスへ行くことです。ポートメッセなごやのメリーロックは欠かせない。特にAlexandros(アレクサンドロス)というロックバンドが大好きです。ミュージシャンはメジャーデビューを果たすまで、それこそ長い下積みがある。すごいバンドでも、しっかり評価をされない時があったわけだし、路上ライブからおろそかにするわけにはいきませんね。私にとっても今年は、急上昇できるチャンスをいただいた。オーバーですけど、オフから死ぬ気で頑張っている」と真顔で語っている。

 ターゲットは優勝。「ジュニアの頃から優勝の経験が一度もない。にもかかわらず、たまたま最終プロテストで合格。これは、という自信になるものが正直、ありません。だから勝ちたい。多くの皆さんから、いいものをもっていると激励されますけど、何をもっているのかわからないんです。技術か根性か、それとも気迫・・・。勝つことできっと変化があるはずです」と結んでいる。

 一方で、「試合で、おっ池ヶ谷いるなぁとギャラリーの皆さんがわかるようになりたい。今年、楽しみにしていてください」と加えた。これがヒロインへの道だ。

(青木 政司)

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