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2024.2.19

JLPGA 新しいヒロイン《95期生・P.サイパン》

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

ピー・サイパン=1997年12月29日、タイ出身

 責任重大。今季、ツアーへ出場する唯一のタイ人選手として、「優勝を目指して一生懸命、頑張ります。絶対にシード権を獲得したい」と気合が入っている。QTランキング26位。第1回リランキングまでJLPGAツアーの出場権を得た。

 22年の最終プロテストで一発合格。日本で新たなスタートとなった。18年、USLPGAツアーでシード権を獲得。順風満帆の人生になるはずだった。しかし、コロナ禍で一変。「USのツアーカードを失い、気分を一新してJLPGAツアーへ挑戦することにしました。ただ、これまでプレーしていたコースとはまったく勝手が違う。最終プロテストでプレーした大洗は、ティーイングエリアへ立つと、木が生い茂って、とてもコースが狭く映る。第2打も同様で、おまけにグリーンのコンディションがとても良く、最後まで難しい。そんな、コースを体験し新鮮な感動を覚えた。また、合格することができて、大きな自信になりましたね」と話した。

 23年もコロナ禍が続き、ビザ発給の関係で来日が遅れたもののステップ・アップ・ツアーで2勝。いずれも、プレーオフを制して勝負強さをアピールした。「プレーはもちろんだけど、生活することなど、たくさん勉強になった一年です。毎日が新鮮でとても楽しい。日本を選んで本当に良かったと感じた」という。

 初来日は14年。アマチュアで宮里藍 サントリーレディスオープンへ出場している。「バケーションで日本を訪れたことは一度もありません。それが去年、試合で各地を巡ると、どこへ行っても観光地であることに驚きました。すごくきれいです」といい、「中でも、伏見稲荷が最も印象に残っている」と加えた。

<Photo:Gene Wang/Getty Images>

 本名はパナラット・タナポルブーンヤラスだが、JLPGAの登録はファンから覚えてもらうように、P.サイパンにしている。「タイでは子どもが生まれた時、必ずニックネームをつけます。母がサイパンとつけた。だから、ずっとサイパン。理由なんてわからない。私の妹はスパイダーですよ」。

 また、郷に入れば郷に従えを実践中だ。「来日して、そばのおいしさにビックリした。以前、タイの日本料理店で食べた時はちょっと苦手でしたけど、あまりの違いに・・・。本物はすごい」と絶賛した。

 得意クラブは、平均飛距離270ヤードの1W。日本ではジャンボ尾崎から指導を受け、「去年、1Wのコントロールがうまくできるようになって、もっと好きになりました。もっとも、ジャンボさんからは、もっとしっかり飛ばせ-といわれます」と、さらなる精進を誓った。

 こんなこぼれ話もある。実に微笑ましい。原英莉花と食事をした。「英莉花さんが、生ビールをかましていいですか、といった。かましていいですか、という日本語をはじめて聞いて、私はすごく気に入ったんです。意味は飲んでいいですか、らしいけど、いろいろなことに応用できることを教えてもらった。その影響で1W、かましていいですか、と使ってみた。これ結構、受けますよ」。ジョークのセンスも抜群である。

(青木 政司)

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

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