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2024.2.20

JLPGA 新しいヒロイン《96期生・髙野 愛姫》

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

たかの・あいひ=2004年9月14日、東京都北区出身

 苦しい時に助けになるのは、プロゴルファーにとってバーディーだろう。24年はルーキーシーズン。「ひとつでも多く、バーディーをとる」を目標に、きょうも練習へ熱が入っている。

 バウンスバックは近年、ファンへも定着したゴルフ用語。その絶大な効果を23年、最終プロテストで体験した。「人生でもっとも長い4日間」と、振り返るのは当然かもしれない。

 「受験2回目の今回も、前回と同じようにまったく緊張することがなかった。おかげで今年は、同組のいい雰囲気に引っ張られた感じで第1日が首位タイスタート。第2日は2位タイとすごくいい感じで手応えがありましたね」と語った。

 とはいえ、72ホールの勝負は随所にドラマがある。順風満帆で終えることは困難だ。勝負の第3日、75を叩き、合格ラインがすれすれの20位タイまで順位を落とした。予想外の出来事。

 「すごくツラい一日でした。通常、少し練習をしたらコースから引き上げるけど、翌日のことを考えると不安ばかりが次々に脳裏を過って、帰る決心がつかない。それでもクローズ時間が迫り、ホテルの部屋へ。だけど、何か練習をしていなければ落ち着かない。部屋の中でひたすらパッティングを繰り返していた」そうだ。

 そして、迎えた最終日。「2番でボギーを叩いた。初めてJFE瀬戸内ゴルフ倶楽部でボギーが先行。当日になっても目標が決まらず、アンダーパーでプレーしよう、と漠然とテーマがあっただけで、気持ちが固まっていない。でも、最初のボギーで20位タイを守るのではなく、試合と同じように順位を上げることを明確にした」という。続く3番でバーディー奪取に成功し、バウンスバックを。ようやく本来のリズムを取り戻し、上昇へ転じる。

 しかし、後半に最大のドラマが待っていた。13番でボギー。気持ちを切り替えたが、続く14番は前日、4パットの悪いイメージが残るパー3だった。「終盤、苦手なホールはない。ここはパーセーブができればいい」と腹をくくり、自身を鼓舞する。結果はバーディーで2度目のバウンスバック。「1打の重みとはいうけど、1ストロークの大切かをわかった。この経験、一生の財産にする」と心へ刻んだ。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 ゴルフ歴は5歳から。といっても、自らすすんで-というわけではない。当時、石川遼が日本中に一大ムーブメントを巻き起こしていた。「両親の趣味がゴルフでしたし、やらせてみる・・・。そんな感じだったと思います。中学でプロテスト制度があることを知ってから、プロになりたい。なれるかなぁと意識しはじめた」。

 高校卒業後、日大国際関係学部国際教養学科へ進学し、さまざまな国の文化を学んでいる。親元を離れ、静岡・三島の女子寮へ。「女子4人で生活している。楽しいですよ」と話した。

 さて、冒頭のバーディーである。「プレー中は、集中しているから、なかなか感情が表に出ない。バーディーをとっても、なかなか喜べません。ちょっと時間がかかりそうだから、今から豊かな表情をつくる練習もしています」と、説明を加えた。

 プレーで魅せる。笑顔をつくる。大事な仕事だ。

(青木 政司)

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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