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2024.2.22

JLPGA 新しいヒロイン《95期生・ジョン ジユ》

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

ジョン・ジユ=1996年1月10日、韓国・京畿道出身

 JLPGAツアーではルーキーながら、圧倒的な存在感を示した。しかし、成績が伴わなければ次へのチャンスはなし。今季はKLPGAツアーへ復帰する。とはいえ、「24年のQTでまた戻ります。もしかしたら、それ以前に日本で出場機会を得られたらプレーすることになるでしょう」と捲土重来を期した。

 ゴルフをはじめたのは18歳。わずか2年でプロ転向という離れ業を披露した。オールドルーキーとして韓国では一躍、注目が集まり人気が上昇。モデルのような体形に加えて、端麗な顔立ちはファンが放っておくはずない。

 出会いはある日、突然だった。「それまで、スポーツは学校で体育の授業を受けた程度。まったくない、といっても良かったぐらいです。当時、夢は画家になること。美術学校へ行こう。そう決めて、一生懸命に絵を描いていた。ところが、ある日、誘われてゴルフを-それはもう一生、忘れられない衝撃です。楽しい。素晴らしい。私の求めていたものは、これだ、と確信した」という。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 まさか、と思うかもしれないが、本人が目を輝かせながら熱く語った表情が忘れられない。情熱をすべて注ぎ、プロデビューを果たした。ゴルファーの若年化など関係なし。生涯スポーツを実践するため、「息の長い選手になる」と誓いを立てた。

 もちろん、すぐに結果が出たわけではない。下部ツアーで経験を積みながら21年、ようやくKLPGAツアーへ昇格。ただし、それがゴールではない。「テレビ出演の依頼などをたくさんいただいた。でも、私に必要なことはボールを打つこと。残念ですけど、すべてお断りしました」。

 元々、日本へは訪れる機会が多く、文化にも興味がある。「ゴルフをしながら、日本中を見て回りたい」と、プロテスト挑戦を決意。22年最終プロテストで一発合格を決めている。23年はJLPGAツアー2試合、ステップ・アップ・ツアー12試合へ出場。が、目立つ成績は残せなかった。

 「日本のツアー生活は、とても楽しく新鮮。いい経験を積むことができました。心から皆さんへ感謝を申し上げます。特に、香川県の直島は本当に素敵な所でした。また、必ず訪れたい」と話す。

<Photo:Masterpress/Getty Images>

 さらには、「来日当初、大活躍してほしい-と期待のメッセージをたくさん頂戴しました。実際、私もそう思っていたわけです。だけど、韓国とはまったく違うグリーンに対応することができなかった。スコアにつながらない。もっと練習と経験が必要ですね」と前置きし、「シーズン中、左の肋骨を2本、骨折したことが残念でした」と、唇をかんだ。

 ギラギラするほどの闘志を燃やすタイプではない。だが、向上心は人一倍。クラブを握って今年で、まだ10年である。

(青木 政司)

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