2024.9.8
古家翔香-3連続バーディーでトップ10
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会 かねひで喜瀬カントリークラブ(沖縄県)最終日
悔しかった-人生に、初めて「うれしかった」と、満面に笑みをたたえながら、古家翔香がホールアウトしてきた。
なかなか言葉が出てこない。そこで、「うれしかった」の3連発である。興奮を隠せないのは無理もなかった。16番から、アッと驚く3連続バーディーでフィニッシュ。ティーチングプロフェッショナル会員ながら、予選を勝ち上がり、今大会へ出場した。通算10アンダーで堂々のエピローグには、ファンへ感動を与える十分な内容だろう。第1日、95位タイから順位をあげ、67→68→69と、残り3日間で急浮上したのだ。
「出場選手はみなさん、最終テストを合格した方ばかり。とにかくお上手で、いろいろな意味で強い。私は何もわからない状況で、今大会に出場させていただきました。最終日は、無心でプレーすることがテーマ。前半、ショットの精度がいまひとつでしたけど、パーをひろって、ひろって…。我慢していれば絶対にチャンスが来る、と信じてやってきた」といい、「後半10番。残り174ヤード、U6の第2打がすごくうまくいった。そこから、ちょっと流れが変わってきたように思います」と振り返った。
16番、右上4メートルのバーディーパットを沈めると、続く17番は5メートルをカップイン。極め付きは最終18番の第3打だろう。残り89ヤードを54度でピン80センチへ。ギャラリーの大きな拍手でグリーンへ迎えられ、3連続バーディーのフィナーレだった。
「この4日間でターニングポイントとなったのは、やっぱり第2日のスタートイーグルでしょう。朝から、どうなるんだろう。かなり不安でした。でも、ティーチングの先輩方の多くから、しっかりやってきて-と激励され、結果を出して応えたい-が、私にできることです」と、気持ちを奮い立たせている。
<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>
プロテストに失敗し、一度はツアープロの道をあきらめた。しかし、整形外科医の父・真一さんから、「ゴルフをずっと続けてきた。ティーチングプロ資格をとれば、人生の足しにはなる」のひとことで踏みとどまる。第3日が終わると、お父さんから激励のメールが届いた。「すごく喜んでいた。きょうも頑張ってトップ10に入ったから、きっと私より喜んでいるでしょう」と話している。
とはいえ、足早にクラブハウスからひきあげた。というのは、10日から4日間、プロテスト2次予選がはじまる。一度、埼玉の自宅へ帰り、あす会場の茨城・静ヒルズカントリークラブへ向かう。「今大会で、ひとりのゴルファーとして皆さんに、私を知っていただけた。なんだか、自信がわいてきました。落ち着いてプレーすれば、大丈夫です。浮足立たないように」と引き締まった表情に変化した。
「でも、テストは試合ではない。試験です。あれは違いますよ」。人生をかけた勝負は、これからだ。プロテスト受験と並行して、ステップ・アップ・ツアーにも出場。うれしかった-を24年は何回、聞くことができるか。
(青木 政司)
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
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