2024.11.2
脇元華に気負いナシ、目指すは初Vのみ
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
TOTO ジャパンクラシック 瀬田ゴルフコース 北コース(滋賀県)第3日
前日からの降雨と午後からの天候悪化を考慮し、競技中止となった第3日のラウンド。2位以下に2打差をつけて首位に立っていた脇元華は、中止をプラスととらえた。「4日間やりたい気持ちはありますが、自分にとっては(優勝の)チャンスが広がったかなと思います」。予想もせぬ短期決戦となったが、そのカギを握るのは今週から使い始めている58度のウェッジになりそうだ。
「以前と同じタイプなんですが、フェース面の溝がすり減ってきたので変えました」。その結果、ボールに対してスピンがしっかりとかかるようになったが、これが良し悪しとのこと。開催コースである瀬田ゴルフコース北コースのグリーンは傾斜が大きく、アプローチでも狙うラインによってはボールが止まりにくい。それだけに、ブレーキがかかりやすい新しいウェッジは有効となる。しかし、パー5の3打目などで60~70ヤードぐらいの距離が残った場合、グリーンに落下した地点から大きく戻ってしまうというのだ。
「ボールが戻ってくることを計算して大きめの距離を打つようにしていましたが、距離感を合わせるのは難しく、結構悩んでしまいますね」。そう言いながらも、前日の最終18番ホールでは、ピンまで残り72ヤード地点から58度のウェッジを使って2メートルにつけ、バーディーを奪っている。バックスピンを利用してのショットだっただけに、スピン量の計算などはある程度把握しているのだろう。
となれば、安心してアプローチできる分、ニューウェッジを使うことでのメリットのほうが大きくなる。実際、今季の脇元は昨年よりもリカバリー率が上昇している。昨年は62.5954パーセント(46位)だったが、今年は65.1408パーセント(23位)だ。「元々アプローチが得意なんですけどね」というものの、今季の安定した成績の理由となっていることは確かだ。
アプローチに自信があれば、多少ピン位置が左右に振られていても、ピンをデッドに狙っていける。ましてや、最終日はグリーンが軟らかくなっていることが予想されるだけに、ボールも止まりやすい。優勝争いに絡むことで脇元にのしかかるプレッシャーも大きくなるが、どれだけピンを攻めていけるかが勝負の分かれ目になりそうだ。それでも今の脇元に気負いは感じられない。
「優勝争いは今年のニトリレディスで経験していますし、明日は冷静にゴルフをできればいいですね」。どこか落ち着き払った雰囲気を出していた脇元。優勝すれば米女子ツアーで2年間の出場権を得られる。たとえ混戦になっても最後まで優勝だけを目指し、あきらめずに戦うだけだ。
(山西 英希)
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