熱いハートでクールなプレー　李知姫はVを渇望！

＜写真：Chung Sung-Jun/Getty Images＞

　2015年LPGAツアー第32戦『NOBUTA GROUP マスターズGCレディース』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,520万円)の大会3日目が10月24日、兵庫県三木市・マスターズゴルフ倶楽部(6,543ヤード／パー72)で行われた。通算9アンダーで単独首位に立ったのは、今季2勝目を目指す、李知姫(韓国)。1打差の8アンダー、2位タイにホステスプロで、優勝を飾れば年間獲得賞金、2億円を突破するイボミ(韓国)、そして、ツアールーキーの大西葵が続く。(天候:晴れ、気温:20.9℃、風速:2.5メートル)

　このまま一気に－。この日の李知姫はスタートからショットが好調だった。1番で80センチのバーディーを決めると、「すごくいい」と自画自賛したアイアンショットの切れ味が増してくる。4連続バーディーでギャラリーの度肝を抜いた。「もうちょっと続くと思ったけど、残念」と振り返るほど、余裕の表情。劇的に変わったのは、今季の残り試合で「少なくても1勝を！」という強い執念だ。今週、韓国からコーチのピャン・チヘさんが来日。徹底的にスイングチェックを行った。指摘されたポイントは2つ。「体の切れがない。背中をもっと使う」、「アドレスで右を向きすぎている」だ。それだけで変わってしまうのだから、ゴルフは不思議なスポーツ。

　「特にアイアンの距離感があうようになりました」とボルテージが上がる。今シーズン、最大の目標は賞金女王。3月に今季初Vを遂げ、「これならイケる」と確かな手応えを感じた。ところが、2勝目が遠い。得意の夏でも2位が多く、目標を修正することに…。「優勝したいです。でも、それは楽ではないでしょう。最終日は自分のゴルフに集中するだけ。同組でプレーする、ボミちゃんを意識したら、優勝が逃げてしまう。彼女のホームコースだし、そのあたりは割り切っていきます」と、クールに話した。通算18勝のベテランが闘志をたぎらせている。