葭葉ルミ、大混戦を制しツアー初V！

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

　2016年LPGAツアー第18戦『ニッポンハムレディスクラシック』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)最終日が7月10日、北海道北斗市のアンビックス函館倶楽部上磯ゴルフコース(6,362ヤード/パー72)で行われ、通算8アンダーで葭葉ルミがツアー初優勝を飾った。通算6アンダーの2位タイは佐伯三貴、菊地絵理香、吉田弓美子、キムハヌル、森田遥、李知姫。(天候:曇り　気温:21.8℃　風速:2.8m/s)

　これが、フォースの覚醒！　念願の初優勝を果たした葭葉ルミがしみじみと語った。「目覚めた時から、優勝しよう、優勝できると感じました。こんな感覚は初めて。その気持ちがスタート前の練習からジワジワと盛り上がってきた。しかし、それがプレッシャーに変わるのではなく、逆に落ち着きが出てきましたね」。2位が6人の成績でわかるように、上位が目まぐるしく変わるV争いだった。まさに初代チャンピオンを目指す激闘だ。とはいえ、優勝をグイッと引き寄せたのが17番。9Iのショットは、狙い通りにピン手前へ。3メートルのバーディーパットを決め、抜け出した。

　ちょうど1年前の『サマンサタバサ　ガールズコレクション・レディーストーナメント』最終日最終組で迎えたが、9位タイ。「あの時はとても緊張していた。そのせいもあって、待っていればチャンスが来る、とは思えなかったから、かなり無理をして自分から狙いに行きました。当然、うまくいきませんね」と分析。また、今季は『アース・モンダミンカップ』で首位発進したが、最終日に失速している。「2週前の経験がなければ、今回も優勝できなかったと思う。1日目の6アンダー、最終日に崩れたことで、どうすればスコアを出せるかが、わかった。いい面と悪い面が両方出た試合ですからね」。

　経験を糧に葭葉は急成長を遂げた。内面の充実は、すべてをプラスに変える。「けさ、いいことがありました。コンビニエンスストアで買い物をして、スピードくじを3回、引いたらすべて当たり。運をつかっちゃったか? と思ったけど、いいや、きょうはついている日だ、と考えなおしました。1番のグリーンでは、朝露がそのままだったので、同じラインだった前にプレーした選手の軌道跡がわかった。落ち着きがあれば、いろいろなことが見えてくるものですね」と明かした。

　今季第2戦『ヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップ』2日目、右足首を骨折。「最初の1週間は寝たきりの状態。今まで、できなかったことをやろう、と思ってスターウォーズのDVDをすべてみました。すごい映画です。奥が深い。おかげでクラブが握れないなど、焦る気持ちなんかまったくなしです」。世界中を震撼させる、スターウォーズの世界観にどっぷりと浸り、超常的な能力の源、フォースを感じたことだろう。「これから新しいことをやろうとは思いません。きょうまでやってきたことを続けていきます」と締めくくった。