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2017.4.15

2nd day プラスワン~森井菖~

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

KKT杯バンテリンレディスオープン 熊本空港カントリークラブ(熊本県)2日目

 幸運の総量は決まっている。良く耳にすることだ。ゴルフをみていると、その言葉がなるほど-と感じる。森井菖の場合も確かにそうだった。開幕戦で55位タイの後は、5戦連続で予選落ち。しかも、ここ2戦は1打及ばすという悔しい状況だ。

 大会1日目の18番。残り201ヤードの第2打をU3で、グリーン奥10メートルにつけた。難しいラインを読み切り、イーグル奪取に成功。しかも、このホールにはイーグル賞がかかっており、賞金100万円をゲットした。「開幕前日にパターを替えました。生まれて初めて、2ボールタイプを使ったら、安心感が違う」。

 ところが、イーグル賞がかかっていたことは、本人は気が付いていなかった。「ボギーが先行していたから、とにかく前半で取り戻す。そればかりを考えていた。ハーフターンで、賞のことをうかがってビックリ。今年初めてのイーグルです。100万円もうれしいけど2ストローク、スコアを取り戻したことが良かった」。興奮というよりも淡々と振り返ったのが、印象的だった。

 意識的かどうかは、わからない。ただ取材をしていても物静かな印象は変わらない。「適当に生きています」というのは、あくまでも照れ隠し。「必死過ぎて、プレー中、笑うことができない。キャディーさんからは、せめてバーディーをとったら笑顔を、といわれるけど、ものすごく真剣だからなかなか笑えないんです」という。

 そうはいっても、今大会から少しだけアクセントをつけた。「シーズンを通して、個人的な感想をいうと、このコースが一番難しい。気楽に回ってみようというのがテーマのひとつ」とも語った。一方で、成績をあげなくてはならない理由もある。昨年のファイナルQTで、「35位以内だったら、犬を飼ってもいい、と父が許可をしてくれた。34位だったから、ようやくです。本当はポメラニアンが良かったけど、毛が抜けやすいからといわれ、トイプードルに。ずっとあこがれだった、散歩デビューをしたばかりです」。

 そんなエピソードを話す際は、とてもうれしそう。1番になりたい、という願いを込め、「イチ」と名付けた。4月もなかばを過ぎ、もうすぐ5月。アヤメのシーズンだ。森井の名前は菖。「よく、何て読むの、と聞かれます。皆さんに覚えてほしい。もっと、笑顔をつくります。自分をアピールしないと…。毎週、自宅を出る時、両親から、エサ代を稼いできてね、と決まっていわれる。頑張らないといけない」といい、こう続けた。

 「実は、今日も18番でイーグルを狙いました。最終日も当然、トライします」。賞金の他に、特別ボーナスへチャレンジできる。運を呼び込む笑顔は、とても素敵だ。これなら、幸運の総量が増えるに違いない。

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