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2017.5.13

2nd day プラスワン~福山 恵梨~

<Photo:Matt Roberts/Getty Images>

ほけんの窓口レディース 福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)2日目

 出でよ、黒猫。今シーズン、初のレギュラーツアー参戦となった福山 恵梨は14位タイで最終日を迎える。この日、68の好スコアをマークした要因を、「朝、グレーの猫を見たからでしょうか」。自宅でも5匹を飼っている。決して猫好きではなかったが、「何人かの、知り合いが何とかならないかと相談をもちかけられ、1匹が2匹…。そんな具合に増えていった。猫はツンデレ。それがたまらなくいい」と力説した。

 で、趣味がノラ猫ウオッチングに。「黒猫を見ると、いいことがある。皆さんと逆ですよ、私は」と、なかなかユニークだ。地元、福岡出身で、ジュニア時代プレーしているコースだけに、「知り抜いている」といい、「きょうは母と弟がコースに来てくれた。たとえ近くの試合でも、CS放送でみているから…。サラッといわれてしまう。うれしかったです」と明かす。

 昨年夏から、藤池昇龍さんの指導を受けていた。プロ野球選手を引退した後、プロゴルファーへ転身し、03年の日本プロシニア選手権など、ツアー2勝、シニア2勝。今年2月19日、福岡県飯塚市の自宅で死去した。享年63歳。「お会いしたのは、練習場。『トップがきたない』と、いわれたことが最初です。以来、教えてくださるようになった。とにかく、改善点をひとことでズバッと。とてもわかりやすかった。まさか、亡くなるなんて思ってもみなかったです」。しんみりと語っている。

 逝去を知ったのは、遠征したグアムから帰国してから。「その足で、ご自宅へうかがった。せっかくゴルフの感じが上向いていただけに、残念でならない。今年のステップ・アップ・ツアーの開幕戦で優勝できたのは、藤池さんのおかげです。お墓で優勝報告をさせていただきました」と、改めて感謝を表した。

 元々、ゴルフに適した体質ではない。誕生時から、左目が弱視というハンディを抱えていたからだ。それが、わかったのは小学校低学年。眼科に通い、「良く見える目に、アイパッチをつけて、見えない目で必死に見る訓練を続けて、小学校6年ぐらいで、0.6まで回復。母が毎日、目にいいからプルーンを摂るようにしてくれたのも効きました」と打ち明けた。

 現在の視力は左0.6、右1.2だが、「コンタクトレンズが合わない。レーシックなどの矯正手術もダメだし、普段はめがねです。でも、プレーする時は、裸眼のまま」とも。笑いながら、まるで他人事のように話してくれたが、今日までどれほどの苦労があったのだろうか。

 「スポーツはひとつクリアしてしまうと、区切りがつく。だけど、ゴルフは限界がない。それが魅力です。行けるとこまで。やりがいがあります」と頼もしい。この日のミニスカートも、なかなかお似合いだった。ただ、「これは自前です。提供してくださる、スポンサーがいたらどんなに助かるか」。これだけは切実な訴えだ。明るくて元気。実際に接すると、応援したくなるオーラを放っていた。

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