1st day プラスワン～谷河枝里子～

＜Photo：Matt Roberts/Getty Images＞

ニッポンハムレディスクラシック　アンビックス函館倶楽部 上磯ゴルフコース（北海道）1日目

　幸せのオーラをまとったプロゴルファー。初対面のきょう、そんな印象を受けた。「ステップ・アップ・ツアーで頑張っているから、ぜひ、大会に推薦したい」。今回、推薦出場が決定したのは、先週の月曜日だった。もっか、ステップ・アップ・ツアーの年間獲得賞金を更新中。1277万7000円で、賞金ランキングは堂々、首位に立っている。「今年初めてのレギュラーツアー。うれしいです。1日目が終わり、最も感じたことは、自分で勝手にレギュラーの敷居が高い、と勝手に思い込んでいたことでしょうか」。

　そんな当たり前のことと思うなかれ、である。ここが変化のポイント。テクニカルな面をあげれば、「パターを2ボールに替えました。それと、4月のパナソニックオープンレディース2日目から、パッティングのラインと、ボールにプリントされている線をきっちりと合わせるように。それだけの違いで、ボギーの数が減った」と分析する。ささいなことを積み重ねていけば、結果につながるのだ。

　そうはいっても、「私は、恵まれているだけ。すべて所属する、鳴尾ゴルフ倶楽部の皆さんのおかげです」と謙虚そのものだった。「指導を受けている、水巻善典さん。応援してくださるスポンサーも全部、所属先のおかげです。水巻さんと出会った8年前、少しずつ何かを変えていきなさい、といわれ、忘れずに実践している」という。

　ただし、首位に立っているといっても、賞金女王獲得など、具体的な目標は掲げない。「1試合、1試合をきっちりとこなして行く。成績が出ているからいうわけではありませんよ。私は目の前のことに集中しているだけ」と浮ついた様子などなし。だから、好調が長続きするのだろう。昨年、10月に婚約。今年12月、華燭の典をあげる。出会ったのは、鳴尾ゴルフ倶楽部。ゴルフだけに限らず、谷河にとって、大いなるパワースポットだ。

　趣味は読書。湊かなえのファンだそうだが、「本当は、ミステリーって、好きではない。誰が犯人かと考えているだけで、イライラしますからね。その点、湊さんの作品は、最初に犯人がわかるから、安心して読書に集中できる」とニッコリ。幸せのオーラは、この微笑み返しにある。