1. ホーム
  2. ニュース&トピックス
  3. final day プラスワン~大会最終日~

2017.9.17

final day プラスワン~大会最終日~

<Photo:Matt Roberts/Getty Images>

 大会最終日、川岸史果の初Vが決定すると、運営に携わったスタッフから、いつも以上の歓声が上がる。同時に安どのため息。大型の台風18号の接近で最悪の状況まで考慮していた。天候を踏まえ、さまざまなシミュレーションを完成させたのは、前日の夜。

① 午前7時30分 1番、10番から前日に決定通り、18ホールのプレー
② 午前8時00分 10番から、コース状況を見ながら9ホール同一へ競技短縮
③ 悪天候で競技ができない場合は、状況で2日目首位タイによるプレーオフ
④ プレーオフ実施不可能なら、2日目のベストスコア、辻梨恵の優勝

 この日、午前6時15分、全体会議が行われた。ここで予定通り、54ホールを消化することが最終決定する。賽は投げられ、無事に終わった。

 今大会を担当したLPGA専務理事、鈴木美重子は、「54ホールをきっちりと消化できたことが最高の結果。とりわけ、うれしかったのは大会1日目、台風が近づくことが予想された時、選手が、『できる時に、1日で1ラウンドハーフ。いや、2ラウンドでもプレーします。だから、絶対にやりましょう』と話してくれたこと」という。それだけに、眠れない夜を過ごした。

 「うとうとしても、すぐに目覚める。そのたびにホテルの窓から外を見た。それはともかく、残念でならないことは、2日目のドライビング女王コンテストと、ジュニアレッスン会が中止せざるをえなかったことです。年に1度のチャンス。かつてない豪華メンバーがエントリーしていた。去年、連覇を飾った渡邉さんは280.2ヤード。今年は、誰かが300ヤードを超える、と。また来年です」。

 一方で、競技委員長・江間陽子は、早朝からのコースチェックなど、いつものように準備を整えた。「競技が成立したことが、心から良かったと思います。競技委員をしてから何度も、台風接近に遭遇。2007年のスタンレーレディスゴルフトーナメントでは、やむなく中止になった。でも、プレーオフだけは行いました。ただし、使用できるホールがパー3のホールのみ。上田桃子さんが、有村智恵さん、横峯さくらさんを下し、優勝した試合です。きょう、感動したのは、ギャラリーの皆さんがたくさん足を運び、表彰式まで熱心に観戦したくださったこと。本当にうれしい。疲れなどありません」と、この日はじめて笑顔をみせている。

 そんな話をしていると、表彰式を終えたばかりのLPGA会長・小林浩美が胸をなでおろしながら、「実は、私、54ホールを消化できたことが意外だった。ただ、試合をやればいいというものではない。ギャラリーの皆さんに来ていただけることはありがたい。でも、それで終わりではありません。無事にご帰宅できるか。とにかく心配でした」と前置きし、「今回ほど、スタッフの力を頼もしく感じたことはない。天候など、さまざまなデータに基づいて、ゴーサインを出した。知識と、多くの経験がモノをいったと思う」とねぎらうと同時に、感服した様子だった。

 観戦したギャラリーは、3,724人。「来て良かった」と異口同音に満足そうな表情だった。それは、宮里藍が現役を去る日に、川岸史果の初優勝をナマ観戦したからではないか。伝説に強烈なエピソードはつきものだ。

このニュースをシェアする

記事検索記事検索ARCHIVE

年を選ぶ arrow
月を選ぶ arrow
カテゴリ arrow
search検索