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2017.11.26

final day プラスワン~キムハヌル~

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 宮崎カントリークラブ(宮崎県)最終日

 グッドルーザー。キムハヌルは、良き敗者だった。負けて悔しくない選手は絶対、いない。ましてや、ビッグタイトルを逃したとなれば、心穏やかでいられるわけは、なし。「今日は、2つのイーグル以外、運がなかった日だと思う。そう考えました」と振り返った。

 2017年、序盤から好調だった。前半戦だけで公式戦1勝を含む、3勝をあげている。ところが、「今年の前半は、プロになってこれ以上はないのでは-そんな気持ちになるほど調子が良かった。でも、後半戦では、何もしていなかった、と思えるほどすべてがうまくいかない。ショット、パッティング…。さっぱりでした。その意味では、とても残念です。ただ、力は出し切った。それだけは胸を張りたいです」。

 外見だけではない。内面も美しく、潔い。これがプロの美学というものか。自ら考えたわけではない。自然に構築した流儀のひとつだ。「子どもの頃から、いつもゴルフへ必死に取り組んできた。振り返ってみると、練習しかしてこなかった、と思います。というわけで、他のことはほとんど考えたことはない。うまくなりたい。それだけでしたね」と話した。

 腕を磨くことはもちろんだが、常に見られている意識を持ち続ける。人生のテーマだ。「より、美しくなりたい。毎日、自分自身を美しくつくることは、当然だと思います。自分に対して、手を抜いてしまったら、その時点で負けたことになる。当たり前のことでしょう。男性、女性の別は関係ない。ビジネスもプライベートも、人はそうあるべきです」と持論を語る。では、美の求道者はどんな準備をしているのだろう。出かける前の化粧について質問した。

 「お化粧にかけるのは、20分ぐらい。それほど時間をかける方ではない。化粧より、紫外線から肌を守る。ケアをして、準備を怠らない。私は、紫外線に誰よりも敏感です」と笑っている。来月17日は29歳の誕生日。ダンスなどの趣味に加わり、最近はパンを焼き、マカロンなどをつくることが楽しくなった。「指先へ神経を集中して、一心不乱に生地をつくる。料理もします。サッとできるもの。本当はじっくり時間をかけてつくりたいけど、ツアーへ出ているからやむを得ない。レゴも好き。ブロックをくみ上げている時、一番、集中できるかもしれない」と、静のプライベートタイムを過ごす。

 今大会、6位に終わった。開幕前は、賞金ランキング2位。しかし、イミニョン、テレサ・ルーに追い越され、最終的に昨年と同じ4位である。勝負は厳しく、過酷だ。ホールアウト後、18番で痛恨のボギーがなければ、LPGAメルセデス最優秀賞に輝いていたことを知らされた。その瞬間、目を見開き絶句したように見えたが、数秒後には何事もなかったように、「両親は目の前でイーグルを2つ見た、と喜んでいました。1ポイント差で賞を逃したことは、耳に入れないことにします」。

 2018年は、グッドウィナーになってほしい。やさしさが伝わるクラブハウスの出来事だった。

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