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2018.3.11

渾身の1打 アンソンジュが混戦を制す

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 2018年LPGAツアー第2戦『ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ』(賞金総額・8,000万円/優勝賞金・1,440万円)大会最終日が高知県香南市・土佐カントリークラブ(6228ヤード・パー72)で行われ、アンソンジュが約1年ぶりのツアー優勝を飾った。勝負は通算11アンダーで並んだ、鈴木愛とのプレーオフ。1ホール目でバーディーを奪ったアンが、ツアー通算24勝目を手中にした。(天候:晴れ 気温:13.1度 風速:2.3m/s)

 楽な優勝など、1度もない。アン ソンジュの通算24勝目もまた、苦しい戦いの末の喜びだった。「正直なことをいえば、負けると思っていた。相手が、愛ちゃん。本当に、本当に勝つことができるなんて…。だから、優勝したという実感がなかなかわいてこない。実際、久しぶりの最終日、最終組で不安ばかりが先走っていた。1打毎に、本当にできる。本当に勝てる。そんな感じです」。

 プレーオフは18番の繰り返しだった。「勝負を長引かせるわけにはいかない」と、アンは残り134ヤードの第2打で渾身の力を込める。9Iを選択し、アゲンストの風に立ち向かった。ボールはピン方向へ飛んでいくが、手前から5メートルのバーディーパットが残る。「フックラインは決まっても、スライスラインがどうしても入らない。どうしようかと考えていると、うまくフックでした。確認した時は、まだ入ったわけではないにもかかわらず、思わずホッとため息が…」と苦笑する。

 ハラハラドキドキの18ホールとは違って、勝負は意外なほどあっけなかった。きっちりとバーディーを奪う。「プレーオフでは、不思議なぐらいプレッシャーを感じなかった。ちょっと前の17、18番で、あれほどドキドキしたのが信じられない」。ここ一番での勝負強さは、成績にも表れている。プレーオフ通算が8勝3敗。ただし、「得意か、といわれてもこまります。きっと、勝負の神様がついていてくださるからでしょう。そうとしか、考えられない」と真顔で話した。

 今季の目標は、成績よりもエンジョイだが、ゴルフ人生の目標は、永久シード獲得だ。「24勝目まで来ましたね。30勝は、やはり意識しないわけにはいかない。でも、きついでしょう。だから、永久シードです。とりあえず、1勝ずつを重ねていくことが私の使命。楽しくプレーしながら、次の優勝を目指しましょう」と楽しそうに語る。これほどの表情をみせたのは、なるほど久々だ。

 「この1年を振り返ると、私はもう優勝なんてできない、と本気で感じていましたからね。それどころか、オフはゴルフの調子がさっぱり上がってこない。こんな状態で、シーズンを迎えられるか。真剣に悩んでいた。当然、きょうの優勝に一番驚いているのが私だし、一番喜んでいるのも、私かな」。勝者は1人だけだ。

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