内容重視　鈴木愛、1.72－実現のために

＜Photo：Matt Roberts/Getty Images＞

　2018年LPGAツアー第3戦『Ｔポイントレディス ゴルフトーナメント』(賞金総額・7,000万円/優勝賞金・1,260万円=大阪府茨木市・茨木国際ゴルフ倶楽部/6,261ヤード・パー71)大会1日目は、瞬間最大風速18.0m/sを記録するなど、天候不良のため中止になった。競技は36ホール短縮。賞金加算額は75パーセントになる。

　やまない雨がないように、強風もいつかはおさまる。中止が決まっても鈴木愛は、クラブハウスで待機。選手の大半は、足早にひきあげたが、この間、コンディショニングルームでトレーニングを行った。「2日間競技になったことは、すごく残念。プレーをしたかったのは当然だけど、この風では仕方がありませんね」。サバサバとした表情だった。

　そして、明日に向け、「距離が長いところもあるけど、短いところだってあります。その短いところと、パー5でしっかりバーディーをとって、貯金をつくりたい。ボギーを覚悟しなければいけないコースですからね」と、改めて攻略法を語った。21日に、米国遠征へ出発する。「いい形でアメリカへ行きたい。今大会も優勝を狙う気持ちに、変わりはありません。でも、それ以上に大事なことは、やっぱり内容です。そこを重視している」という。

　開幕戦はショットの感触がいまひとつ。特にフルショット時の精度に納得がいかなかったそうだ。「ようやく、良くなったのは、前週の第2日。18番でイーグルをとってからガラッと変わった」。それが最終日、65の原動力につながったのだろう。「本当に見違えるようです。だから、やりたかった。わかるでしょう」。

　この日、改めて繰り返したのは、1.72。年間平均パット数の具体的な数字だ。「去年もいけると思ったけど、後半戦でパッティングの調子が悪くなり、残念。オフにどうすればいい? 自問自答を繰り返したら、シーズンを通して3パットを少なくすれば十分、イケる」と、パッティンググリーンでたっぷりと練習を行った。あすのためではなく、シーズンを見据えて。女王の心意気である。