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2018.4.15

鈴木美重子のプラスワン テック

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

KKT杯バンテリンレディスオープン 熊本空港カントリークラブ(熊本県)最終日

 テクニック、精神力。今大会の比嘉真美子さんは、すべてが整っていました。今日の1番。引き締まったとてもいい表情。最終日の台風の目になる-私はそんな印象を受け、勝負の行方を見守っていたのです。パット・イズ・マネーとは、よくいわれることでも、その前にチャンスをつくらなければならない。彼女の持ち味、アイアンショットの切れが抜群で、パッティングもきっちり。最高の1日になったことでしょう。

 優勝が決まって声をかけたら、「夢のようです。本当にうれしい。13年のリゾートトラストレディスが、1打差の逃げ切りで、他の2勝はプレーオフ。こんなにゆったりした気分で優勝を迎えたのは、初めてです」と本音が漏れた。スランプを脱出した、昨年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント以来の通算4勝目は、新たなスタイルの優勝といってもいいでしょう。落ち着いていました。

 最近、お風呂で瞑想をしているそうです。よく、悪いことを忘れたい、と選手は口にする。しかし、比嘉さんはバスタブに浸かって、「いい時も、わるい時もリセットできるようになった。私の場合は、集中力を高めることより、いつも新しい気持ちで次を迎えることが必要でしたから」と説明しました。今オフから、ヨガを取り入れたことも、きっとゴルフにはプラスに働いたに違いありません。リフレッシュの意味で、非日常に自分を置くことも大切ですから。

 すごいポテンシャルを備えていました。飛距離に加え、総合力に恵まれている。今回の優勝は、新たな扉を開いたといっていい、プロのマイルストーン。一方、素晴らしいシーンがあったことをお伝えしておきたい。プレーを終えた成田美寿々さんが、「負けた。負けた」と比嘉さんをハグ。この時、雲の間から太陽が顔をのぞかせる。春の日差しが差し込んで、2人が輝いていました。

(担当理事・鈴木美重子)

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