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2018.4.21

信念を実行に 上田桃子、迷いは去った

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 LPGAツアー第8戦『フジサンケイレディスクラシック』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)大会第2日が21日、静岡県伊東市・川奈ホテルゴルフコース 富士コース(6,376ヤード・パー71)で行われた。絶好のコンディションに恵まれ、大混戦。通算8アンダーの首位に上田桃子、成田美寿々が並んだ。通算7アンダー、3位は松森杏佳。(天候:晴れ 気温:22.7℃ 風速:9.5m/s)

 清々しい。上田桃子から迷いが吹き飛んだ。表情を見れば、一目瞭然である。「スコアはもちろん。この2日間、いい集中力を保てている。ここまで、自分で、何か物足りない感じがつきまとっていた。それが、今回は、たとえボギーがきてもいいプレーだと思えるようになった。充実という言葉を久々に使えますね」。

 前半、1、4番でバーディーを奪う。その後、パーセーブを重ねたが、9番でこの日、初のボギー。しかし、前述したように、迷いはない。すぐに切り替えて後半へ向かった。11番、9Iで5メートルにつけ、素晴らしいパッティングを披露する。勢いに乗って12、14、15番ではショットがさえた。首位へ浮上する。18番で1.5メートルのパーパットを失敗したが、2日連続の67でホールアウト。前日より、風が強くなった状況を考えれば、自己採点が厳しい上田でも、及第点を与えてもいいと判断したのだろう。

 故郷、熊本の前週はよもやの予選落ちを喫した。想定外。いや、そんなものでは表現できない。自身が「もっとも大事」と口にするほどのトーナメントである。「いいプレーができないときは、練習をするだけです。下手は練習しかないでしょう」と日ごろは、口にするが、さすがにショックが尾を引いた様子。「実家で3日間を過ごした。外出もしない。誰にも会いたくない。正直なことをいうと、両親ともほとんど話をしていなかった。何もしないというか、やる気が起こらない。あまり、そういうことはないけど…。本当にショックでした」と振り返った。

 では、何をしたかといえば、録画していたマスターズを遅ればせながら見たそうだ。「大事なワンショットは誰でも丁寧に、外したくない、という感情が働く。同時に、ああしよう、こうしようと考えも浮かんでくる。これが迷いの元です。衝撃的だったのは、マスターズ最終日のリッキー・ファウラーでした。18番のバーディーをあっさりと打つのだろう。そして、簡単に決めたことです」。確かにそうだ。結局、1打差及ばず、ファウラーは2位だったが、後ろでは、逃げ切りを図るパトリック・リードがプレー中。さらに、上田は、「リッキーは、それまで何度も仕切り直してバーディーを決めていた。だから、よけいに18番は、なぜ、もっと時間をかけないのか。そんな問いが浮かんだ」と話した。

 そして、得た結論。「考えすぎず、普段通りにやればいい。決断するまでに、しっかりと迷いを消す」と原点へ立ち戻って、今大会へ臨んだ。「久しぶりにいい位置で、最終日を迎える。優勝する、しないは別にして、充実した3日間を過ごしたい」。解脱したかのように、あっさり口にする。自然体こそ、最も必要なものだった。

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