2018.5.19
雨垂れ石を穿つ 柳澤美冴がステップ初V

<Photo:Ken Ishii/Getty Images>
2018年LPGAステップ・アップ・ツアー第6戦『ツインフィールズレディーストーナメント』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が19日、石川県小松市のゴルフクラブ ツインフィールズ ゴールドコース(6,462ヤード、パー72)で行われた。プロ7年目の柳澤美冴が、通算6アンダーでステップ・アップ・ツアー初優勝。2位に5打差をつける独走Vで飾った。(天候:雨 気温:13.5℃ 風速:3.4m/s)
さながらのサバイバル。柳澤美冴が難コースと季節外れの寒さに見事、打ち勝った。まるで百戦錬磨の試合運びを見たようだ。集約されたのは、最終18番。最も難しいホールだ。ほぼ、優勝は手中にしていたものの、勝負は最後までわからない。ましてや、このホールはこの日、ケタ違いの難度である。バーディーがゼロ。パーセーブで切り抜けたのは、わずか16人だけだった。
ピンまで残り30ヤードの第3打を1メートルにつけた。石橋を叩く安全策。1パットでカップインし、優勝を決めた。「ラフからのアプローチでも、ライが良くてボールが浮いていた。おかげでピタッと止まってくれました。去年までの2年間、LPGAツアーで学んだ経験のおかげ。アプローチ、パッティングがどのくらい大切かを、肌で感じてきましたからね。私はまだまだ。最後のアプローチだけは少しだけほめてあげてもいい」。ホールアウト後、ようやく笑顔をのぞかせた。
最終日は首位スタート。「3番まではいつも通りプレーできなかった」という。緊張から、2番で80センチのパーパットを失敗。「あのまま、ズルズルと行く気配があったけど、気持ちで負けなかった。続く3番で、1.5メートルのパーセーブが大きいと思う」。優勝争いというよりも、自身との戦い。その後は、着々とスコアを伸ばし、V軌道に乗った。「本当に難しいコースでした。フェアウェイが狭い。ラフへ入れたら大変でした」と安どのため息をもらしながら、3日間の激闘を振り返る。
強い精神力は、痛い経験から学んだ。昨年のアース・モンダミンカップ練習日。右肋骨を骨折し、1カ月以上も戦線離脱した。「とにかく、練習に次ぐ練習で、体のケアをしていない。強い体をつくる。そう誓って、オフはトレーニングに励みました。たとえ、予選落ちしても、次の日はトレーニング。積み重ねが今日の優勝につながった」と話した。ステップ・アップ・ツアーの年間獲得賞金ランキングは、5位へ浮上。「ファイナルQTから挑戦できる賞金ランク5位以内にも入りたい。でも、目の前の試合に集中します」。
次週は、主催者推薦でLPGAツアー『リゾートトラストレディス』へ。新たな挑戦のスタートである。
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