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2018.6.3

Day 3 松尾恵のプラスワン テック

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

ヨネックスレディスゴルフトーナメント ヨネックスカントリークラブ(新潟県)最終日

 大山志保さん、おめでとう存じます。心が洗われるような復活劇を拝見いたしました。ゴルフは精神力ということを、1番から存分にアピール。5メートルのバーディーパットへ臨む瞬間、「絶対にカップイン」という気迫がみなぎっていました。今回の勝因は、やはりパッティングだった、と思います。パッティングで悩み続けていた際、ちょっと気になったことがありました。

 ストロークをする時、ほんの少し、手首が動いていたようにみえる。フェースの芯にボールが当たらないと、転がりが悪くなり、微妙なところで狂いが生じてしまう。とにかく、パッティングはデリケートです。フェースの位置が変わらず、精密機械のようにインパクトしなくてはなりません。今回は、常に同じようにストロークを繰り返していました。そのあたりが、素晴らしい。

 頸椎を痛め、治療を続けてきました。ただ、ゴルフに対して、尽きることがない情熱がわきあがってくる。故障と戦いながら、自分が今、ベストで戦うことに挑戦したのです。本人が、「60パーセント程度の振っている」というスイングをみれば一目瞭然。ただし、これまで培った経験とテクニックで、距離を犠牲にしても、精度を重視した。「私は、集中力が高まるコースが好きです。ヨネックスカントリークラブはティーショットで、ものすごく神経をつかう。それだけではありません。アップダウンも激しい。神経をすり減らすようなコースで戦うことは喜びでもある」。

 相対的に分析すると、やはり集中力が優勝を引き寄せたのでしょう。常日頃から、最後まであきらめない姿勢は、選手の見本でした。たとえ調子が悪くても、ホールアウトしながら熟考しながらのプレー。ゴルフは、その1戦で終わるわけではなく、次があります。簡単にあきらめず、プラスになることを探る。向上心も人一倍です。

 気まじめで、ファンを大切にする。その上、チャリティー精神も旺盛。みんなが応援したくなる気持ちがわかります。ウイニングボールを18番のグリーンサイドへ集まった、ギャラリーへ投げ入れるシーン。以前は当たり前のように行われた儀式のようでしたが、最近はそんな光景が少なくなった気がします。これも良かった。ガッツポーズの連発。ギャラリーと一体となった復活優勝は、語り継がれるドラマのようでした。

(松尾恵=担当理事)

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