2018.7.27
Day 2 プラスワン~金田久美子
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
大東建託・いい部屋ネットレディス 鳴沢ゴルフ倶楽部(山梨県)第2日
2018年。黄金世代、高校生アマチュアなどが躍動し、LPGAの勢力図が徐々に塗り替えられつつある。ただ、ベテランも黙ってはいない。暑い夏がもっと、アツくなる。この日、元祖・天才少女に話を聞いた。「私は、このところ、いつも予選通過ギリギリです。リズムに乗れない。そういえば、イケイケのゴルフって、ここ2年ぐらいしていないなぁ」。そう話すと、ちょっとうつむき気味になった。
「成績がいまひとつだからといっても、けがをして練習をセーブしているとか、そういうわけではない。ショットは、3年前と比較してもむしろいいと思う。昔は、ひとつバーディーが来ると、ポンポンといけた。何も考えず、それが当たり前のようにできたのです。そういう頃の感覚を忘れてしまった。今、必死に自分の体内で眠ってしまった、攻める本能を必死に呼び起こしている。毎日、たくさんの練習をしながら…」。そうはいっても、表情は明るい。「気分転換が上手になったから」とも。
「以前は、予選落ちをすると、翌月曜日には、ずっとゴルフのことが頭から離れない。ずっと負のことを引きずっていた。しかし、最近はゴルフのことを一切考えない日をつくるようにつとめている。月曜はショッピング、同級生と会うことが多い。切り替えができるから、とても楽になった。仲良しの友人たちは、みんな結婚して、子どもがいる。もし、ゴルフをしていなかったら、主婦だったかもしれない。ただ、ゴルファーになったことに悔いはありません。ゴルフがない人生は考えられない」という。さらに続けた。
「よく、子どもの頃から目立ちたがり屋といわれたけど、実はそうではない。目立つことがイヤ。テレビ出演、メディアの方から、取材を受けることが苦手。ゴルフをするときなど、いつも緊張の連続です。ジュニアの頃は、カードにスコアを書き込むとき、手が震えた。緊張しないと、逆に不安に感じたこともかなりあったと思う」。今だからいえる。そんな印象だった。
では、今シーズンの若手の台頭をどう見ているのだろう。「皆さん、本当にしっかりしている。見た目はもちろんのこと、勝(みなみ)さん、新垣(比菜)さんなど、あいさつがしっかりできて、他のおしゃべりなどもすごい。私はあの頃、あれほど上手に、おしゃべりすることができなかった」。本音のトークは意外の連続である。ただし-。このまま手をこまねいているわけにはいかない。
「勝つことで変わるといわれるけど、それには段階がある。まずは、最終日に優勝争いです。調子をあげていって、この夏、忘れていた本能を呼び起こせそうな気がしてきた」。そのXデーはいつの質問に、「NEC軽井沢72ゴルフトーナメントまでには」と宣言した。なぜなら、8月14日は29歳の誕生日。その直前の試合が軽井沢だ。人気は絶大。自身のインスタグラムは、8万人に近いフォロワーがいる。今大会の決勝ラウンドも当然、結果を残さなければならない。
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