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2018.9.9

グランドスラム達成へ 申ジエ、独走V

<Photo:Matt Roberts/Getty Images>

 アジアナンバーワン決定戦、『第51回日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額2億円、優勝賞金3,600万円)大会最終日が9月9日、富山県射水市・小杉カントリークラブ(6605ヤード/パー72)で行われ、申ジエが通算16アンダーで優勝。1988年ツアー制度施行後、史上2人目の2週連続完全Vも達成した。また、今季の公式戦を2連勝、年間グランドスラムを視界にとらえ、賞金ランキングも首位へ浮上。2位タイは、通算7アンダーのアンソンジュと、ジョンジェウンが入り、通算5アンダー、4位タイに大出瑞月、濱田茉優が入った。(天候:雨 気温:20.5℃ 風速:9.0m/s)

 円熟の技は、雨でより輝きが増す。申ジエは2位以下との差を広げても、決して安心することはなかった。「メジャーというものは、自分との戦い。そして、本当の実力を試す場所です。今大会、私は、私自身と勝負をした。自分に勝ったか-といわれても、まだわかりません。ただ、確実にいえることは心の底から、ほしくて、ほしくて仕方がなかったタイトルを手に入れた。それがうれしい」。

 世界を相手に戦った経験がある、百戦錬磨の勝負師といえども、大一番ではプレッシャーを全身で感じていた。それも、前夜から。「ベッドへ入って、何度も目が覚めた。また、私は朝食をしっかりとる。でも、今朝は口へ運んでもノドを通らない。どうしても、勝たなければならない試合だったからでしょう。こんな気分は、2012年の全英女子オープン以来。同じ公式戦でも、今年のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップの時は、しっかり食べて試合へ臨みました」と振り返った。

 にもかかわらず、1番のティーグラウンドへ立つと、スッと緊張感がほぐれる。フェアウェイをキープし、残り145ヤードの第2打は、7Iでスーパーショットを披露。あわやカップインのシーンだった。「あのショットが入らなくて、本当に良かったと思います。もし、入っていたら、とても興奮していたでしょう。18ホールを終えるまで、ずっと冷静でいたかったから」。

 荒天も好材料とプラスに考えた。「自分の感情をコントロールするには、悪条件の方がいい。みんなも苦労しているし…。ワンプレー毎に、どういうことができるか。おかげで、もっとレベルアップができそうな、可能性を見いだせた」とも加えている。17番へ入ると、雨脚が強くなり、63分間の中断。ロッカールームで待機した際には、「1週前は、プレーオフ途中で中断した。今度はあと1ホール…。長いゴルフ人生、ここ2週で初めての経験が続いた。そんなことを考えながら、体を冷やさないように注意を。同時に、お越しいただいたギャラリーの皆さんは、どこで雨宿りをしているのか。とても心配でした」とすまなそうな表情を浮かべる。いつもながら、やさしい人柄を表す気配りを。

 優勝会見では、賞金から北海道地震、平成30年7月豪雨の被災者の皆さまへ、チャリティーを行う。「テレビをみるたびに心が痛む。私は少しでも力になりたい。LPGAと相談して金額などを決めます」という。

 今回の制覇で公式戦3冠。3週後に開催の日本女子オープンを勝てば、史上初のグランドスラムを達成する。「去年、一昨年と2位。いいイメージをもって、臨める。今年は優勝したい。三度目の正直です」と気合を込めた。さらには、賞金ランキングも1位へ躍進。韓国、米国に続き、日本でも賞金女王の偉業をグイッと引き寄せた。

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