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2018.11.18

Day 4 ~ 原田香里 プラスワン テック

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

大王製紙エリエールレディスオープン エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)最終日

 新時代の到来を告げるかのような最終日、最終組の平均年齢は19.3歳。その中の1人、勝みなみさんがプロ初優勝を飾りました。皆さんと同様に、やっと勝ったが正直な気持ち。しかし、ちょっと視点を変えてみると、今回の優勝の価値がわかります。プロ2年目でシーズンをフルに戦った経験がない。おそらく、体力などは終盤でとても苦しい時期。にもかかわらず、4日間大会でとても強い内容を示したことに、彼女の将来性、真の強さを感じました。

 技術は人それぞれ。最大の特色はテンフィンガーグリップでしょうか。トッププロでは珍しい。同グリップで有名なのは、ゴルフ世界殿堂入りを果たしたベス・ダニエルさんがいます。クラブコントロールがしやすい。すべての指で握るため、力がはいりやすく、飛距離が出るなどの効用があります。感覚派の勝さんには合っているのでしょう。「これからも、これで行きます」と優勝会見でも話していました。

 また、コーチをつけずここまできたということも、最近の若手では珍しい存在。迷いや不調の時など、解決策を見いだすにはかなりの苦労が伴う。でも、自分がこういうゴルフをしたい−など明確なビジョンがあれば、やはり自身で試行錯誤することが一番いい。あらゆることで型にはまらないところが魅力です。

 最終日、勝さんをみていて印象的だったのは、歩くテンポとスイングのリズムが、まるで計ったかのように一定でした。昨日の18番のイーグル奪取で得た勢いを、ジッと内へ秘めプレーしたかのよう。通算20アンダー、ノーボギーの優勝は実に見事です。ひとつだけ、リクエストをお願いすると、ショートゲームの引き出しをもっと加えてほしい。このあたりは、今オフの課題になるでしょう。

 一方、注目の賞金女王争いは、アンソンジュさんが4年ぶり4度目の戴冠。彼女の強さが際立ったシーズンでした。とはいえ、タイトルが確定したきょうのプレーで、インスタートだったことは、不本意だったと思います。その分は、次週の最終戦『LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』の奮起材料となるでしょう。2018年の総決算です。

(原田香里=担当理事)

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