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2019.4.28

申ジエ、超逆転! バースデーV達成

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 2019年LPGAツアー第8戦『38th フジサンケイレディスクラシック』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)大会最終日が4月28日、静岡県伊東市・川奈ホテルゴルフコース富士コース(6,376ヤード/パー71)で行われ、申ジエが通算8アンダーで大逆転Vを飾った。19位タイからスタート。9バーディー、1ボギーの63をマークし、今季2勝目をあげた。2打差の通算6アンダーは渋野日向子、鈴木愛、吉本ひかる。(天候:晴れ 気温:13.5℃ 風速:1.5m/s)

 勝負は不思議だ。数字では説明できない何かがある。今大会、17年・吉田弓美子、18年・永峰咲希、そして今回は申ジエと3年間、4月28日生まれの選手が優勝を飾った。それにしても、きょうの申の大逆転は強烈。LPGA史上3位タイの7打差を跳ね返したのだ。

 「7打差を逆転したことなど、初めてです。私が一番驚いた。こんな勝負もあるんだ」と、天を見上げながらつぶやく。カギは、10番にあった。

 「きょうの目標は、6アンダー。それぐらいを出せば、トップ10へ入れると思った。だから、後半はもっと頑張らないといけない。気合が入った。10番はとても相性が良い。きのうまで2日間、バーディーをとっていますからね。ビックリしたのは、第1打がほぼ、同じところでした。すべて1ヤードぐらいの中におさまっている。キャディーさんがビックリしていましたよ」。ショットの精度に気分が上がった。残り130ヤードの第2打は9Iを選択し、ピン右手前3メートルにつける。ラインの読みがさえ、バーディーを決めた。

 舞い落ちてきた恩寵を逃しはしない。続く11、12番も3連続バーディー奪取に成功する。ただ、チャンスが続けばピンチも。13番では8メートルのパーパットが残ったが、きっちりとセーブする。「後半の9ホール、ものすごい集中力を発揮できた。いくつバーディーが来ているなんて、気にも留めなかったです。スコアを提出する際、自分で驚いた」。いわゆる、ゾーンへ入ったのだろう。「シーズンに2、3度、そんなことがある」といい、「今年の初優勝が2週前。こんなに早く2勝目があげられるなんて…。本当にうれしい。厳しいコースの最終日で、良いプレーができました」と続けた。

 ただ、ホールアウトしても、優勝が決定したわけではない。アテストを終了すると、まっすぐにロッカールームへ戻る。「まわりの方がナイスプレー、お誕生日おめでとうと声をかけてくださったけど、まだ勝負が残っていました。静かなところへ行きたい。ロッカールームで、もう一度、集中力を高め、それから練習場でプレーオフへ備えた」。優勝を重ねるためには、それほどの精神力が必要であることを改めて思い知らされた。

 結局、プレーオフにはならず、優勝が確定。緊張から解放され、飛び切りの笑顔が飛び出す。「7打差を逆転したのは初めて。韓国で5打差、アメリカで6打差がありますけどね。きょうのプレーは、まだまだ、新たな可能性があることを私に示してくれた最高のプレゼントでした」。

 最後に、報道陣をうならせたエピソードをご紹介しましょう。今大会は平成最後のトーナメント。申ジエは1988年生まれだ。和暦では昭和63年。「日本の年号は、私の生まれた年と一緒に数えられた。平成何年というのが、自分の年齢にあたるわけですね。平成は特別な思いがありました」とひと息つき、「日本も令和という新しい時代になる。日本のゴルフも新しい歴史がスタートするわけですし、少しでも貢献できるようにしていきます」と締めくくる。郷に入っては郷に従え。強さの源を垣間見た。

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