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2019.6.30

申ジエ、16番のスーパープレーで完全V  

<Photo:Atushi Tomura/Getty Images>

 LPGAツアー第17戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額2億円、優勝賞金3,600万円)大会最終日が6月30日、千葉県袖ケ浦市・カメリアヒルズカントリークラブ(6,622ヤード/パー72)で行われ、通算15アンダーで申ジエが完全優勝を飾った。3打差の通算12アンダー、2位タイは原英莉花、宮里美香。また、通算8アンダー、4位の渋野日向子が逆転で、全英女子オープンの出場権を獲得した。(天候:曇り 気温:.26.8℃ 風速:.10.1m/s)

 ゴルファーになって、最大の試練。優勝した申ジエはこの日、コースに吹き荒れた強風を、「今までに経験したことはない。イギリスでも強い風のラウンドで優勝したけど、それ以上。本当に、すごかった。1メートルの短いパッティングでも気が抜けません」と評した。最大瞬間風速は20.7m/s。そんなタフな状況だから、改めて元世界一の強さを発揮できたのだろう。

 一時は1打差に迫られたが、「まだ1ストロークの余裕があると思っていた。必ず、どこかでチャンスは来る」と自身を励ましながらのプレー。勝負を分けたのは16番のパーセーブだろう。11メートルの距離に加えて、カップは2段グリーンの上。難しいフックラインである。「ボギーでおさめることができれば−という感じでした。2ホール残っているし、とにかくしっかりとストロークをすればいい。自分を信じることですよ」。

 なるほど、準備を怠ることもなかった。クラブセッティングである。得意クラブの23度ハイブリットを抜き、5Iを加えた。「ハイブリットでは、ボールを止めることができない。きょうは奥のピンポジションが多かったから、5Iで転がす。低いボールを打つことを優先した。弾道でいうと、高さは半分ぐらい違います」。考え抜いた末の決断は、大正解だったのだ。

 そして、今大会への感謝の気持ちを表した。「今大会は、いつもホスピタリティーが素晴らしい。とても楽しみに待っています。また、賞金もすごい。これだけビッグマネーの大会は私だけではなく、これから育つ世代へさらなる可能性を与えると思います。そういう気持ちから、しっかりと準備を行ってきました」。

 シーズン開幕前から常に口にしてきたのは、「賞金女王獲得」だ。獲得賞金ランキングでも、1位を奪回。ただ、7月はチャレンジスピリットをかきたて、2つのメジャーへ挑戦する。「賞金女王はひとつの挑戦です。とはいえ、世界で戦い、良い勝負をして後輩たちへ見せたい。それに、私も学ぶこともきっと多い。エビアンと全英女子出場という選択をした」とプランを明かした。

 さて、そんな申に自己分析をお願いすると、「もう、ベテランといわれる年齢になった」と笑いながら、「若い頃は、前だけを見て懸命に走ってきた。だけど、今は前も後ろも、左も右だって、すべて見えるように考え方の幅がワイドになっている。テクニカルのバリエーションも、今の方が断然いい。若い時は勢いでも、現在は自分自身、しっかりと計算ができるようになりました」と結んだ。

 史上最速の生涯獲得賞金、9億円も達成した。きょう、6月30日はハーフタイムデー。1年の折り返しは、最高の1日になった。

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