富士通レディース　1日目

穴井詩が首位発進 1打差に山村彩恵

　2012年度LPGAツアー第29戦『富士通レディース』（賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円）の大会初日が、千葉県千葉市の東急セブンハンドレッドクラブ（6,635Yards／Par72）で開催された。

　天候：晴れ時々曇り、気温：23.5℃、風速：1.5m。絶好の秋晴れのなか行われた大会初日。この日スコアを伸ばしたのは、プロ5年目の穴井詩。7バーディー・ノーボギーの65をマークし、単独首位に立った。1打差の2位には山村彩恵、3打差の3位タイには若林舞衣子、福田裕子、李知姫（イチヒ・韓国）、リエスド（韓国）の4名が続いている。

　この日は首位に立った穴井、2位の山村、そして一時は首位に立つ活躍を見せたアマチュアの保坂真由の3人が、奇しくも同組でのラウンド。「前半は保坂さんにグイグイ引っ張られたので、私も山村もいい感じでプレーが出来ました」と穴井。その前半の6ホールは、保坂が4つスコアを伸ばしてプロを圧倒していたが「高校生には負けたくないとちょっと思いましたけど、3人ともいい雰囲気で自分のショットに集中していました」と保坂の好プレーに煽られる形で、プロの2人が次第に奮起。「体調も良くなかったんですけど…」とこの日はマスクを着けてプレーした穴井だったが、微妙な距離のパーパットを沈めてピンチをしのぐと、後半は3連続バーディーで一気に首位に踊り出た。

　一方の山村はボギーが先行し、序盤は2人に遅れを取っていたが「ゆっくりと周りを見ずに上にのぼっていこうと思っていたので、焦りはありませんでした」と徐々にスコアを伸ばすと、難度の高い18番パー4では、グリーン奥からのアプローチをねじ込み、チップインバーディー。「気持ちが乗ってしまうと力が入って絶対オーバーするので、気持ちを殺して打ちました。ラッキーもありましたけど、あれは嬉しかったですね」と会心のショットをきっかけに、後半のバーディーラッシュにつなげた。

　そして序盤の試合の主導権を握ったアマチュアの保坂真由は、16歳の高校2年生。LPGAツアーでは目立った成績を挙げていなかったが、この日は「ショットがとても良くて、自己ベストが出ちゃうんじゃないかと思いました」と好調のショットを武器に、一時は4アンダーで首位に。その後は3パットなどでスコアを落としたが、首位と4打差の3アンダー・7位タイにつけた。「この順位は自分では満足しています。相手はプロの方々ですし、アイアンの精度が違いました。でも自分もそれについていけるように頑張りました」と多くのギャラリーやメディアが注目する組で、堂々と初日のプレーを終えた。「（今週は）優勝を狙いたいです」とさらなる目標を目指し2日目に挑む。

若林舞衣子 （3位タイ：-4）
「今日はショットが良くてバーディーについていたので、カラーからでも狙っていました。グリーンを外した時でも、しっかりパーを取る事が出来ました。（先週の休みは）岡本（綾子）さんから『今週はクラブを握らなくていいから』と言われて、ライブや男子ツアーを観に行ったり、買い物に行ったりと満喫しました。プロになってこれだけ長い間クラブを握らなかったのは初めてです。トレーナーにも言われたのですが、私たちのように毎週競技をしている人は少し休憩を取ることも重要だと。今日も最初の打ち始めはあたるか不安でしたが、体が覚えていてくれて問題なかったし、むしろ体が軽い感じがして、よくクラブを振れていました」。

福田裕子 （3位タイ：-4）
「今日はアイアンが良くなくて朝はグリーンに乗らなかったけど、7番のイーグルで少し変わったかなと思いました。（昨年までと変わったことは？）基本的にアプローチやパターが大幅に変わりました。元々苦手ではなかったけど、アプローチは特に上がってきましたし、ライを選ばずにバンカーなどからでも打てるようになりました。オフの時期に平塚（哲二）プロに教えてもらったのが大きいですね。（今年は）苦しい時もありますが、勝負させてもらってるなって感じになってきました。とにかく今週は上に行きたいと思っています」。

香妻琴乃 （7位タイ：-3）
「自分としては朝からショットは良くなくて、結局一日中あまりいい感じはしなかったんですけど、パットはいい感じなので、もうちょっとショットを修正していけたらいいスコアが出るんじゃないかと思います。（開幕からいままで）早かったです。振り返ると“こうやればよかった”と思うことはあるんですけど、でも“こうやればよかった”というのが分かるためのこれまでの試合（経験）だったと思います。いろんなことを勉強しながら、でも気持ちはいつも優勝するくらいのつもりでやってきました。残りの試合も常に優勝を狙ってやれたらいいなと思っています」。