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2013.5.26

中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン 最終日

逃げ切ってみせた 森田理香子の長く苦しい18ホール

LPGAツアー第12戦『中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン』の大会最終日が5月26日、愛知県豊田市の中京ゴルフ倶楽部 石野コース(6,519Yards/Par72)で行なわれた。単独首位からスタートした森田理香子が通算8アンダーで逃げ切り、今シーズン2勝目を飾った。1打差の2位に全美貞(ジョンミジョン・韓国)、3位に堀奈津佳が続いた。(天候:晴れ、気温:26.2℃、風速2.8m)

「苦しかった…」単独首位からスタートして、見事逃げ切り勝利を演じてみせた森田理香子は、この日の18ホールをこう振り返った。「優勝しかないと思っていました」。自分に過度のプレッシャーを与えてスタートした一日。幸先よく2番でバーディー。2位とのリードは3打差に。ギャラリーの目には、師匠の岡本綾子から言われている“本当の勝ち方”に向け、磐石の態勢で邁進しているように映っていた。

「朝から緊張していて…体が動かなかったです。こんなに緊張したのは初めてでした」。平常心ではなかった。緊張を抱えたままのスタート。周囲からの期待。自分自身からの期待。全てを背負って戦う決意は出来ていた。しかし体は言うことを聞かなかった。

4番パー3で異変は起きた。ティショットを左にひっかけて、この大会初めてのボギー。「今日は違うと思いました」。昨日まで自信を持って振り切れていたショット。森田の心にさざ波が立った。続く5番はなんとかパーで切り抜け、6番パー5。「ここから冷静に」昨日イーグルを奪ったホールで仕切り直す予定だった。強く振り切ったティショットは左に曲がり、OBゾーンへ。仕切り直す予定だったロングホールは、昨日よりも4打多い7打を要する最悪の結果となった。2位との差は、前半を終えた時点で1打まで縮まっていた。

「勝負はバックナインから」師匠の岡本綾子から常々言われている言葉を思い出していた。「バックナインではボギーを打たないように」。そうは思っても体は言うことを聞かない。10番のティショットも左に曲がりバンカーにつかまる。パーセーブ。11番も1.5メートルのパーパットが残る。なんとかパーセーブ。14番のティショットも左。我慢の旅が続く。「いちばん覚えているのは16番です」。得意としているパー5でパーオンができず、2メートル弱のパーパットが残る。後ろには昨年の賞金女王が1打差に迫っていた。しびれるパーパットは、見事カップに吸い込まれた。池越え114ヤードのセカンドショットが残った最終18番。見事ピンに絡ませ、長く苦しい旅はようやく終わりを迎えた。

「ホッとしました」。勝利の感想は歓喜ではなく安堵。それだけ苦しい18ホールだった。しかしそれでも見事な単独首位からの逃げ切り勝利。果たして師匠から出されている“本当の勝ち方”の宿題は達成できたのだろうか。「今日みたいにオーバーパーで勝つのではなくて、競っていてもバーディー合戦で勝てるゴルフをしたい」。本人は全く思っていない。再び返り咲いた賞金女王ランキングトップの座。「今日みたいなゴルフをしていたら、絶対に女王なんて取れない」安住するつもりは毛頭無い。「また来週、一からですね」森田の目はすでに先を見据えている。


悔し涙が止まらない─。

2打差2位からスタートの大山志保。2011年11月以来の復活優勝を目指したが、勝ちたい気持ちが強過ぎたのか、またもやチャンスを逸してしまった。

2006年の賞金女王。その後はケガに悩まされ昨季はシード陥落。しかし今季は、QT(クォリファイングトーナメント)から出場権を得て、再起をかけて挑むシーズンという思いは強い。前半戦からエンジン全開で3月のアクサレディス、翌週のヤマハレディースでは最終日最終組。その後のフジサンケイレディスでは3打差、前週のほけんの窓口レディースでは最終日に2打差と優勝圏内にいながらもチャンスを逃していた。

今大会が今季5度目となる優勝争いに気持ちも昂ぶる。「バーディー取りたいという気持ちが強過ぎて全部オーバーしてしまいました」と前半からパッティングがなかなか決まらない。4番ではカラーから3パット、続く5番もボギーと連続ボギーで優勝争いから一歩後退してしまった。トップを走る森田もスコアを伸ばすことが出来ない中、相手にプレッシャーをかけていきたい場面で自ら崩れていってしまった。

「最後までバーディーを取りたいと攻めた結果ですけど悔しいです」と表彰式に参列している最中でも涙が止まらなかった。昨日5月25日に誕生日を迎え、優勝という自分へのプレゼント、そして故郷・宮崎でタクシー業を営んでいる父親へ副賞の自動車をプレゼントとはならなかったが、最後には「まだまだ練習しなさいということだと思います」と自らを鼓舞していた。


全美貞 (2位:-7)
「今日のプレーは自分としては十分良かったと思います。ノーボギーこれが精一杯。優勝したいとは思ってるけど、それは仕方ない。今日は悔しさはないです、次頑張ります」。

堀奈津佳 (3位:-6)
「前半リズムが早くなってしまいましたが、後半切り替えられて、上位に入れたので自信になりました。来週地元なので、また頑張りたいと思います。」

上田桃子 (4位タイ:-5)
「前半は良い感じだったんですけど、13番の3パットからですね。後半は耐えながらのラウンドでした。今日は優勝争いではなく、優勝争いの近くまで行ったというだけでした。攻めていった結果がこうなので次回への課題です」。

佐伯三貴 (9位タイ:-3)
「今週はホステスプロとして臨んだんですけど、あまり良くありませんでした…。もう1回しっかり考えないといけない。気持ちの面も含めて考え直す時間が欲しいです」。

横峯さくら (15位タイ:-1)
「前半2つ伸ばせたまでは良かったんですけど、12番で池に入れてトリプルボギーが…。今日は12番に尽きますね。次頑張ります」。

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