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2013.6.30

アース・モンダミンカップ 最終日

進展・進化・進歩を続ける驚異の20歳
堀奈津佳が記録づくしの逃げ切りV!

 2013年度LPGAツアー第17戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,520万円)の最終日が、千葉県袖ケ浦市のカメリアヒルズカントリークラブ(6,516ヤード/パー72)で行われた。

 首位でスタートした堀奈津佳が、アグレッシブなプレーを展開。この日のベストスコアとなる67で回り通算21アンダー、4日間大会の最少ストローク優勝を飾った。2位は通算13アンダーで全美貞(韓国)。通算12アンダーの3位タイには、藤本麻子、イボミ(韓国)が入った。

 それにしても強い。強かった。優勝を確信したのは14番の第3打。残り68ヤードを58度でベストショットを決めた。きれいな弧を描いて、グリーンへ。ラインに乗ってカップへ吸い込まれた。「入るとは思っていませんでした。だけど、感触がとても良かったです。ギャラリーさんの歓声で、ひょっとしたらイーグル? うれしかったですね」。この1打で追いすがる全に引導を渡した。

 スタート前、ティーグラウンドで見た全は「とても大きく見えた」という。昨シーズンの賞金女王の存在感は、強烈なプレッシャーとなって堀を襲う。そのせいだろうか。1番での、わずか1メートル弱のバーディーチャンスを逃してしまう。「ラインの読みが違っただけ。ここで落ち込んだら、全さんにかなわなくなる」と自分自身へ活を入れた。その切り替えが2番でのバーディーにつながり、マッチレースの展開になったにもかかわらず終始、アドバンテージを握る源に。

 「優勝するためには、ボギーを叩かないことだと思いました。チャンスが来るまで待つ。そう言い聞かせていたら、気持ちが強いままでいられました。今日はここまでの3日間と比べて、ドライバーが曲がっていた。でも、思い切っていきました。このコースは距離が長い。攻めるプレーもできました」。

 終わってみれば、67とこの日のベストスコアをマーク。「来週の7月6日が21歳の誕生日。だから、今回が20歳の最後の試合です。その記念に優勝しようと思っていたし、勝つなら、記録までつけてしまおう、と狙いました」。通算21アンダーは、4日間大会の最少ストロークVとなり、4日間連続で60台のラウンドで優勝を飾るのもツアー史上初めて。じっくりと喜びをかみしめたのは、わけがある。アマチュア時代、初めての試合出場は小学5年生。ゴルフを始めてから1年後、愛媛県松山市での「四国ジュニア選手権」だった。

 この人生初体験が運命を大きく変える。1歳上の松山英樹と同組でプレーする幸運に恵まれた。「くわしいスコアは覚えていませんが、わたしは150を叩いたと思います。でも、松山さんの優勝を間近でみて、優勝するっていいねと思い、うらやましく感じたことを覚えている。おかげで、ますますゴルフが好きになり、練習するのが楽しみになりました」と振り返る。プロゴルファーを目指すターニングポイントは、偶然の必然だった。

 もちろん、素質があったことは間違いないが、堀は努力を積み重ねながら今日を迎えたことになる。進化を続けることができるのは、「優勝したい」という強い心。ツアー2勝目をあげて、こんなひとことを付け足した。「身長が小さくても頑張れば、強くなれるのがゴルフだと思います。そんなジュニア世代に夢を…」。身長159センチの堀が、ツアー最長身の175センチ、百戦錬磨の全に付け入るスキを与えなかった。

 2,520万円の優勝賞金は、値千金ともなる。賞金ランク2位へ。独走状態を続ける森田理香子の背中が見えるポジションに浮上した。「賞金女王? とんでもない」と前置きして、「一年間、コンスタントに成績を残すのは、並大抵のことではありません。まだまだ課題は多いし、ショットの精度をあげて、パー5でバーディーをもっととれるようにしたい」。

 一方で、ゴルフ漬けの毎日かと思えば、プライベートでの気分転換も巧みだ。趣味の映画鑑賞で非日常を味わい尽くす。「一番好きな映画は、『トワイライト~初恋~』 です。何度も観ました。人間とヴァンパイアのラブストーリー。本当におもしろい」と目を輝かせる。ちなみに、理想の男性は? という質問に、「吸血鬼です」。これまた進歩的な答えが返ってきた。


全美貞 (2位:-13)
「パッティングがよくなかったです。あまり集中出来ませんでしたが、最後まで頑張れたので、70点ぐらいのゴルフです」。

藤本麻子 (3位タイ:-12)
「(3連続バーディーフィニッシュ)バックナインが勝負だと思っていたので良かったです。(今シーズン最高順位)やっとプロらしくなってきましたね。でも反省点がいっぱいあるので、来週に向けてまた頑張ります。リカバリー率が低いのでそこがダメですね」。

イボミ (3位タイ:-12)
「今日は朝から2位3位争いになるなと思っていたので、3位(タイ)で満足しています。久しぶりに上位でプレーしたので、緊張しました。来週(日医工)は去年もトップ10に入っているので、今のスイングなら、また上位争いができると思います」。

成田美寿々 (5位タイ:-11)
「目標よりボギーが多かったけど、バーディー合戦にそれなりについていくことができたので良かった。でもまだまだですね。副賞がポルシェなのと地元なので、今週は優勝したかったんですけどね。来年はもっとついていけるように頑張っていきます」。

東浩子 (5位タイ:-11)
「(初めての最終組)今日は6打差で優勝が難しい中でのスタートだったので、開き直ってというか、2人の優勝争いを楽しみながら見て回っていました。今回ですごく自信がつきましたし、今日得たものは言葉で表せないぐらい大きい。今日は初優勝に向けての準備だと思っています」。

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