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2019.11.30

申ジエの底力 超絶のスーパーボギー

<Photo:Chung Sung-Jun/Getty Images>

LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 宮崎カントリークラブ(宮崎県)第3日

 1番が騒がしい。どよめきが起こったかと思えば、しばらくするとグリーンサイドから、大歓声が上がった。申ジエの超絶ともいえるテクニック。

 ただし、スーパーをつけたくなるようなボギーセーブだった。状況を振り返る。第1打は右のラフ。ところが、ピンとの間には木がある。第2打は、その木へ吸い込まれた。行方は知れない。3分間、必死の捜索を行ったがボールを確認することはできなかった。ロストボールに…。打ち直しの第4打は、グリーン奥のラフへ転がった。ピンまでは18ヤード。第5打を気迫でカップインさせた。

 「私、宮崎が好きです。でも、宮崎はもっと私のことが好きだと思う。あの木が私のボールを返してくれない。よほど、私のことが好きなのかなぁ」。さすが、元世界女王である。ジョークも一流。それにしても、カップインさせる集中力には驚かされた。「いつも、私はカップを狙っている。狙い通り」と笑顔を浮かべる。

 賞金女王、メルセデス最優秀選手賞の可能性を残してはいるものの、右手痛が影響して、通算イーブンパーの17位タイで最終日へ。ただし、LPGAツアー史上初、年間平均ストローク60台というレコードもかかる。今大会で、通算1オーバーなら歴史的なシーンが訪れる。1打の執念について、「コースの中で、賞金女王などのことは一切考えない。そのぐらい集中している。最終日へ向かう姿勢、プレーの内容など、トータルで皆さんへ感動をお届けしたい。ベストを尽くします」と話した。

 ちなみに、消えたボールについて、メッセージがある。「もし、見つけた方がいらっしゃったら、喜んでサインをいたします」。恨み節などない。ノーサイドだった。

(メディア管理部・中山 亜子)

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