アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI　2日目

苦悩の2年間
藤田幸希、完全復活へのカウントダウン

　2014年度LPGAツアー第4戦『アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI』（賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円）の第2日が、宮崎県宮崎市のUMKカントリークラブ（6,470Yards／Par72）で開催され、10アンダーで藤田幸希が首位に立った。2打差の2位に渡邉彩香、4打差の3位タイにはアマチュアの柏原明日架、原江里菜、イボミ（韓国）が続いている。（天候：雨、気温：15.7℃、風速：1.2メートル）

 「苦しい2年間でした」。シード選手常連組だった藤田をこの2年間苦しめていたもの、それはパッティングだった。「返しの1mが怖くなってしまって。グリーンに上がるのもイヤになってしまった」。それは数字にも如実に表れている。平均パット数ランキング、2007年からの5年間で一番悪かった2009年でも33位。それが2012年は68位、2013年は62位。2013年はついにエリエールレディスまでシード権を確定できないほどに、成績も低迷した。そのエリエールレディス、カットラインに2打足らずで迎えた2日目の17番パー5。このまま予選落ちを喫すると、7年連続で獲得してきたシード権を失う絶体絶命の状況。その崖っぷちの藤田を救ったのは、不思議なもので2年間苦しめられてきたパッティングだった。「15～6mぐらいありました」というイーグルパットが糸を引くようにカップに吸い込まれた。その2日後に森田理香子が同ホールで放った、結果として賞金女王を手繰り寄せることになったスーパーイーグルに負けずとも劣らない、それは奇跡の1打だった。

「あれで通ったので、このオフはすごく大事に過ごそうと思いました」。地獄を見た思いの藤田にとっては、この経験が良いきっかけとなった。オフは体のケアとパットの練習に費やした。前は立つのもイヤだったグリーンも「立つのが楽しくなりました」という程になった。そして先週の試合。「これだ、というのがありました」。2年間苦しんできたパッティングに閃くものがあったという。自信を持って臨んだ今週、2日連続の5アンダーでそれは確信に変わりつつある。「自信はあります。なんでか分かりませんが」そう言い切る。最終日を単独首位で迎えるプレッシャーにも「この2年間に比べたら、よっぽど楽しいと思いますよ」そう笑顔で抱負を締めくくった。最終日、この2年間の呪縛から解き放たれる最高の舞台が整った。あとは楽しんでプレーをするだけ。結果は後からついてくる。

渡邉彩香 （2位：-8）
「後半流れが悪かったので、18番はティーショットから“思いっきり振ってやろう。絶対2オンさせてやろう”と思って振りました。（小さいころ世界の飛ばし屋に憧れた？）私は福嶋晃子さんを目標にしていました。もちもん今もですけど。ギャラリーの人がどよめくティーショットを打っていたのが、小さいころ印象に残っていて、1日ついて回ったらアプローチもパターもすごく上手でしたので、憧れでした。明日は、パー5で4つしっかり獲って、バーディーを獲れるだけたくさん獲ろうという気持ちでスタートしようと思います」。

原江里菜 （3位タイ：-6）
「今日は全体的に良くありませんでしたが、締めるところでしっかり締めることができたのでよかったです。難易度の高いホールでバーディーが獲れました。明日は獲れるところでしっかり狙って、朝から行きたいです」。

柏原明日架 （3位タイ：-6） 　アマチュア
「（終わってみればボギー無しで）雨でダフったりするなか、ノーボギーで回れたのはすごく自信になります。スタートでバタバタしてしまうところがあったんですけど、それをパーでおさえられたことが、今日のキーポイントというか、それで3番からパーオンに徹しようと思いました。それがクリア出来たので良い感じで回れたんだと思います。（アマチュアで優勝することを夢見たりは？）あります。プロになる方法といったらアマチュアのうちにツアーで勝つというこが一番早い方法なので、去年くらいからそれを目標にやっています」。

香妻琴乃 （6位タイ：-5）
「地元なので、昨日も今日も家族が毎日鹿児島から通ってくれて、遅くまで仕事をして朝5時半に来てくれます。ひとつでも多くバーディーをとると喜ぶので、良いプレーを見せてあげようという気持ちでプレーしました。明日は自分のベストを尽くすことに集中したいです。上を追いかけたら、いつも崩れてしますので…」。