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2014.6.28

アース・モンダミンカップ 3日目

優勝スコアは? 大激戦のV争い!
通算14アンダーの酒井美紀、全美貞が首位タイで最終日へ

 2014年度LPGAツアー第17戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,520万円)の3日目が、千葉県袖ケ浦市のカメリアヒルズカントリークラブ(6,516ヤード/パー72)で開催された。

 この日は好スコアが続出。トーナメントコースレコードタイの64をマークした酒井美紀、全美貞(韓国)の2人が通算14アンダーで首位に立った。1打差の3位にテレサ・ルー(台湾)が続き、通算12アンダーの4位にアンソンジュ(韓国)。通算11アンダーの5位にも大山志保がつけるなど実力者がひしめき、最終日は激しい優勝争いが展開されそうだ。(天候:雨、気温:22.2℃、風速:2.9メートル)


 トーナメントコースレコードタイ、そして自身のベストスコアとなる『64』をマークしても、酒井美紀は興奮するどころか、とても落ち着きはらっていた。

 「プロでは66がベストでした。でも、このコースはフェアウェイが広くて、距離もある。雨でグリーンが柔らかくなって、選手全員がガンガン攻めるようなコースは得意ではありません」。

 以前から、「もっと飛距離がほしい」と口にして、「去年の大会はコースの広さに対応できず、スコアになりませんでした」という。ただ、同じことを繰り返さないため、今週は普段より練習量を減らして、体力を温存。「その分、今週はドライバーを思い切り振っている。おかげで、距離は普段よりも10ヤード伸びました」。

 一方で、スタート前にはロングパットの練習を集中的に行う。この日も6番で、20メートルを沈めた。好調を支える要因は、もうひとつある。先週、試し打ちしたマッスルバックタイプのアイアンがドンピシャリ。「気分転換の意味もあって、すべて新しいものにしました」という。何とも思い切った作戦だ。

 常に控えめだが、ひとことで酒井を言い表せば、『プロの鑑』。出場できる試合はすべて出る。おまけに、棄権もなし。連続出場記録を意識しているわけではないが、「初心を忘れないため」だった。2010年ツアーデビュー。オフのQTで44位だったため、「微妙な位置なので、試合へ出るのに苦労しました。ウェイティングをしても、ダメな時もあった。それを思えばもったいなくて休めません」。

 そんなエピソードからは、『鉄人』という言葉が浮かんでくる。しかし、いつも体調がいいというわけではない。今年4月のフジサンケイレディスでは、勤続疲労が影響して、親知らずが痛みはじめ、抵抗力が落ちていたこともあり、患部からバイ菌がリンパ腺まで入り込んでしまった。激しい頭痛に悩まされた上、左肩まで痛みだし、スイングでフォロースルーがとれないほど。にもかかわらず、「点滴を打ちながら頑張りました」。そして、見事4位タイに入っている。

 それだけの忍耐力がありながら、ツアー優勝を飾ったことがないのは、ファンにとっては不思議に感じるはずだ。最終日は最も優勝に近い位置からスタートする。「今まで何度か優勝争いをしているけど、イケる、という波が来ていても、そこで熱が冷めてしまうというか、感情を押し殺してしまう。そんな時は、やっぱりガンガン行かないとダメですね」と大きく呼吸をしながら、「私でも、(3日目に)このスコアが出た。だから、他の選手ならもっといっちゃうのかなぁ、と思います」。謙そんしているわけではないだろうが、何とも欲のない一言で締めくくった。

 ただし、右手の親指には、何やら見慣れないロゴマークのネイルアートが施されている。「今週、姉がやってくれました。関ジャニ∞です」。この時ばかりは、一気にテンションが上がった。「右手の親指は、私が一番大切にしているもの。これを見ながら…」。最後の言葉を飲み込んでしまったが、「勝つ」と気合を込めたのだろう。


 全美貞のムービングサタデーは、前半から好調だった。酒井とともに、トーナメントコースレコードタイの64をマーク。7番パー4では、残り100ヤードの第2打を58度のウェッジで、ピン手前から直接カップインするイーグルを奪いギャラリーを沸かせた。

 「朝からショットの調子がとても良かった。イーグルの前にも直接、カップに当たったホールもありました」と話し、「今週は運がいいね」と前日とは一転、笑顔を浮かべた。

 2日目のラウンド終了後は、5位タイの好結果にもかかわらず、「手が痛い」を連発。前週のニチレイレディスでは、右手首痛で棄権している。故障を抱えたのは、思わぬ時。サイバーエージェントレディスのプレー中、ちょっとしたアクシデントがあった。林へボールを打ち込み、ショットをする際、ボールの約20センチ前に木の根があることに気が付かなかったという。ボールはリカバリーに成功したが、運が悪いことにクラブが堅い木の根に当たり、その衝撃で右手の甲を痛めてしまった。

 「トレーナーから、マッサージなどでケアをしてもらっている。でも、いつ痛み出すかわからない。そんなことは考えずに、明日も気持ち良くできればいいなぁ」と、今季初Vは、運を天に任せている。


 悩みだしたらキリがない。今シーズンの大山志保は、パッティングの不調にあえいでいた。しかし、この日は7バーディーを奪って、長かったスランプを脱出したようだ。

 キーとなったのは、最終18番ホール。スピーディーなプレーが持ち味の大山が、珍しく仕切り直しを。「打つ前に、ちょっとイヤだなぁ、と思いました。だから、仕切り直し。私はめったにそんなことはしない。ただ、明日のために、どうしてもいいイメージで終わりたかったですからね」と振り返った。そして、キッチリとパーセーブ。14番から4連続バーディーを奪っているのだから、それも当然か。

 パッティングの異変を感じたのは2月。「ラインが見えているのに、フォロースルーがうまくとれない。そうしている内に、今年のツアーがスタートして、自分のストロークまで忘れてしまった」。

 そこで先週、荒療治に踏み切った。ニチレイレディス2日目のラウンド終了後、ゴルフショップで新しいパターを購入した。値段は、2万2000円也。気分も変わって、いい方向へ向かう。加えて、大山を奮起させたのは、2007年に米ツアーのQスクールを一緒に受験したミッシェル・ウィーが、前週の全米女子オープンで優勝したことだ。

 「彼女もずっとパッティングに苦しんでいた。周囲からは、変なフォームを直せとかいろいろ言われていたけど、自分を押し通しました。もし、私も左ひじの故障とかケガをしなければ、あそこにいたかもしれない。これも与えられた人生でしょうか」。最終日のターゲットは、もちろん今季初優勝。パッティング全快宣言は、その時までとっておくようだ。


テレサ・ルー (3位:-13)
「ティーショットが曲がるようになってしまってフェアウェイキープは5つしかなかったけど、アイアンショットとパッティングが良かった分スコアにつながったと思います。同じペースで行ければ良いスコアになってくれると思うので、自分のペースで自分のゴルフができれば、と思います」。

アン ソンジュ (4位:-12)
「もったいないゴルフだったと思います。決めなきゃいけない短いパッティングを決めきれなくて…。優勝はしようと思ってできるものでもないので、自分のゴルフをすることに集中するだけです。それで結果が付いてきてくれれば最高ですね」。

申 ジエ (7位タイ:-9)
「前半でバーディーを取れるところがいっぱいあってうまく行きました。後半は難しくなったんですけど、前半の感覚が残っていたのでノーボギーでプレーできて良かったです。(明日は)スコアを伸ばす人が多いと思うので、自分も積極的に攻めて、明日もノーボギーでプレーできたらいいです。4日間競技で体力が少し落ちるので、今日はよく寝てよく食べて体を温めて、明日は集中して全力を出して、ギャラリーの方々にいいプレーを見せられるようにしたいです」。

斉藤 愛璃 (7位タイ:-9)
「前半すごく良いゴルフをしてきて、後半は風があってラフに行ったりして苦しい場面も続いたけど、パーで我慢してきて最後にバーディーが来て、一日トータルで完璧と言っていいほど良かったと思う。(明日は)悪い時はプレーが縮こまってしまうので、自分のゴルフをして、思い切り自信を持ってやっていきたいと思います」。

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