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2014.9.13

日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 3日目

首位を守った鈴木愛 猛追した上田桃子、大江香織
大混戦の優勝争い 果たして、最終日はどんなドラマが―

 2014年度LPGAツアー公式戦『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,520万円)の3日目が、兵庫県三木市の美奈木ゴルフ倶楽部(6,645ヤード/パー72)で行われた。

 この日首位スタートの鈴木愛は前日とは打って変わって、前半で40と大きくスコアを崩すも、後半にスコアをひとつ伸ばして盛り返し、通算4アンダーで単独首位を堅守。通算3アンダーの2位タイには、上田桃子、大江香織が続いている。通算2アンダーの4位タイには成田美寿々、申ジエ、黄アルムの3人。ディフェンディングチャンピオンのイボミが10ホールを終了後、一身上の都合のため棄権した。(天候:晴れ、気温:25.1℃、風速:1.7メートル)

 ハラハラドキドキしたことも、優勝への登竜門だ。4日間の長丁場は、山あり谷あり。

 最終組からスタートした鈴木愛は、2番でいきなりピンチを迎えた。ティーショットを大きく曲げて、ボールは深いラフへ。3オン3パットのダブルボギーとしてしまう。狂ったリズムは、なかなか戻せない。続く3番でも、5オン1パットと、連続ダブルボギーを叩いた。「苦しくて、あと何ホールが残っているのか…。もしかしたら、イーブンぐらいになってしまうのかもしれない。そんなことを考えていた」。つとめて平静を装っていたかのように映ったが、心の中では弱気な気持ちが頭をもたげていたという。

 しかし、弱気を打ち消したのは、強い精神力だった。「こういうピンチの時のためにスコアの貯金をしてきた。全部、吐き出してもいい」。結局、この日は75とスコアを落としたが、首位を明け渡すことはなかった。「前半のダブルボギー2つを考えれば、上出来だと思う。明日は笑顔でプレーしたいですね」と話した。

 2日目のスーパープレーで知名度は一気に上がっている。ホールアウト後には、大勢のファンからサインを求められ、激励のメッセージを受けた。南秀樹コーチは、「失敗をすぐに忘れるのがトッププロ。こんなチャンスは滅多にない。てっぺんを狙え!」とゲキを飛ばす。今大会のシンデレラは、さらに輝きを増した。

 迷いが消えた。首位と1打差の好位置をキープした上田桃子は自信にあふれている。「(最終日も)自分のゴルフができればやれると思う」と静かに口を開いた。

 今大会へ向けて、入念な準備を行ったのは、「調子がいいから」。早い時期から、コースの下見を兼ねたラウンドを行い、着々と態勢を整えてきた。ところが、予選ラウンドでは、ストレートボールなど準備してきたことがまったくスコアへ結びつかない。そこで、2日目のホールアウト後、急きょ、持ち球のドローとフェードを打ち分ける調整を行った。「おかげで、ストレスのないゴルフができた」という。

 一方で、メンタル面も試行錯誤の末、ようやく打開策がみつかった。「焦りもなく、余裕もなく。ニュートラルな状態が一番いい」と。以前から、周囲は常にファイティングポーズをとり続ける上田のスタイルに疑問を投げかけていたそうだ。「もっと楽しそうに、プレーをした方がいい。韓国の選手はニコニコしながらやっている、とアドバイスされたけど、自分にはプレー中、笑顔が必要ない、と思っていた。でも、最近は自信と余裕があるからニコニコできると、わかってきました。勉強させていただきましたね」と苦笑している。みんな悩んで大きくなるものだ。

 「今は戦闘モードでなくても戦える。あすは、どこで(戦闘モードの)スイッチを入れるか、相手や状況などタイミングを見てですね」と締めくくった。

 淡々とプレーできるのは、技術に裏付けられた自信なのだろう。大江香織は、「あまり危ないところがなかった。ボギーも1個だけでした。ティーショットがラフへ行ったのは、1回か2回ぐらいだったと思う」と振り返った。

 今大会は、現在の自分の実力を試す絶好のチャンスと位置付ける。加えて、「借りを返す」というスパイスも…。タラオカントリークラブ西コースで開催された、2012年大会。3位につけて3日目を最終組で回り、最終日も3位タイでスタートしたが、77を叩き、19位タイに終わっている。「調子がとても良かっただけに、本当に残念でした。でも、あの時に比べたら、全体的な底上げができていると思う」という。

 具体的に、「飛距離が10~20ヤードは伸びて、ショットの精度が3割は増している。今シーズンは、パーオン率がいい。普通、パーオン率がいいのは、飛ばし屋の選手。私のような飛ばないタイプでも、きっちりとデータに表れているから、そう言えると思う」と解説してくれた。さらには、自らを戒めるかのように、「あの頃は、アホなミスをしていた。バーディーチャンスから、3パットをしていましたね」。滋賀の仇を、兵庫で討てるか!?


成田 美寿々 (4位タイ:-2)
「今日はショットが最初からおかしくて、拾って拾って拾ってという感じでした。ちょっと入れ込んじゃったのかなと。これから練習したいです。これが3日目で良かったです。そんなにひどくならずにトップとも差が無く終われたので、今日の調子なら上出来です。明日はガンガン攻めていってバーディーを取らないと追いつかないので、アプローチで拾って積極的に攻めていきたいですね」。

申 ジエ (4位タイ:-2)
「グリーンが日に日に硬くなってボールを止めるのが難しくなってきているので、ミスが少ないショットを繋げていくよう心掛けたのがスコアに繋がったと思います。難しいセッティングで、色々な技術を必要とする3日間でしたが、オーバーパーにはなっていないので、良いプレーが出来ていると思います。明日はバーディーよりもミスの少ないプレーを心がけていきたいです」。

穴井 詩 (7位:-1)
「前半は良いリズムでいけたけど、後半は15番で1メートルもないパットを外してからバタバタとボギーにしてしまって…。その流れを最後まで戻せなかったです。今日は気持ち的には攻められましたが、縦の距離感が合わなくて…。今日のうちにショット、パッティングを修正して、明日はやれるだけやりたいです。メジャーの最終日は何が起こるか分からないし、最後まで頑張ります」。

大山 志保 (8位タイ:イーブンパー)
「16番も完璧なショットでしたが、ピンに弾かれて外に出たり、今日は運も無かったですね…。でも2アンダーで良かったです。上だけを見て、ここは攻めれば良いわけではないので、考えて頭を使いながらやってミスを少なくしたいですね。明日は悔いの無いように精一杯頑張りたいです」。

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