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2025.11.30

鈴木愛 プレーオフを制して9年ぶりの公式競技V

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

JLPGA ツアー2025シーズン最終戦『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』(賞金総額1億2,000万円・優勝賞金3,000万円)最終日が11月30日、宮崎県宮崎市・宮崎カントリークラブ(6,543ヤード/パー72)で行われた。通算9アンダーで並んだ鈴木愛と岩井千怜によるプレーオフへ。2ホール目で鈴木がパーセーブ、岩井がボギーで決着。鈴木が今季2勝目、ツアー通算22勝目を飾った。通算5アンダー、3位タイに古江彩佳、阿部未悠、申ジエの3人。

1打リードで最終18番パー4を迎えた鈴木愛。第2打をグリーン右のバンカーに入れ、寄せ切れずにボギーを叩く。勝負は岩井千怜とのプレーオフに持ち込まれたが、舞台はその18番ホールだけに、心中も穏やかではないと思われた。しかし、鈴木自身はいい意味で開き直っていたという。

「18番で自分はたぶんバーディーを取れないので、いかに根気強くパーをセーブしていくかを考えていた」。同時に、対戦相手の岩井に対しても、どのようなゴルフをするか予想していた。「おそらくアグレッシブにバーディーを狙ってくるだろうなと。それでバーディーを取られたら仕方がないという気持ちでした」。バーディーを狙えば、その分ボギーを叩く確率も上がる。ある意味、駆け引きの勝負となったが、プレーオフ1ホール目は両者ともにパー。

2ホール目、ティーショットを右ラフに入れながらも2オンに成功した鈴木。対して、岩井はフェアウェイからの第2打がグリーン手前の左ラフへ。アプローチを寄せ切れずに、このホールをボギーとする。鈴木は22メートルのロングパットをピン上80センチに寄せる。それをしっかりと沈め、16年、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯以来、9年ぶりの公式競技での優勝を決めた。

「ウイニングパットを決めた瞬間は、やっとシーズンが終わったという気持ちでした。その後に、優勝できてよかったなって感じです」。今季は8月のニトリレディスで優勝しているものの、秋口になって5試合連続予選落ちを経験。「プロになって一番辛かったです」と振り返るが、体調が悪くないにもかかわらず、ショットもパッティングもイメージどおりに打てず、ゴルフにならなかったという。


<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>

ただ、鈴木は自分のゴルフに対してあきらめることはなかった。予選落ちした試合の中でも調子を取り戻すためのヒントをつかもうとしていた。連続予選落ちの5試合目となったマスターズGCレディスでのことだ。左へのミスが続く中、自然と目標の右を向いていたが、その結果、さらに左へ大きく曲がるようになった。そこで、気持ちが悪いものの、目標に対してスクエアか、あえて左サイドを狙って構えた。「さらにフェードボールを意識して打ち始めたら、ボールが真っ直ぐ飛ぶようになりました」。たとえ予選落ちを喫しても、試合でなければ修正できないという判断が功を奏した。

また、今大会では連続ボギーが無かったことも優勝の要因だという。「今週の月曜日、たまたま9番グリーンに中嶋常幸さんがいらっしゃって、アプローチについてのヒントをいただきました」。使用クラブや打ち方についてだったが、特に逆目からのアプローチでは効果的で、それが大きな自信になった。アドバイスをすぐに自分のものにできたのも、鈴木が必死で練習に取り組んでいたからこそといえる。

今回の優勝でツアー通算22勝目となった鈴木。永久シードを獲得できる30勝まであと8勝となったが、35歳までに達成したいという。「それ以降は勝つのが大変だと思うからです」。計算だと年間2勝で到達するが、今大会のゴルフを見る限り、もっと早い段階で30勝に届きそうだ。


<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

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