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2014.9.14

日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 最終日

鈴木愛が思い出の地で女子プロ日本一
ツアー初Vは、あこがれの宮里藍を超える大会最年少記録に

 2014年度LPGAツアー公式戦『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,520万円)の最終日が、兵庫県三木市の美奈木ゴルフ倶楽部(6,645ヤード/パー72)で行われた。

 首位でスタートした鈴木愛が5バーディー・4ボギーの71で回り、通算5アンダーで大会最年少優勝を飾った。20歳128日の優勝は、2006年に宮里藍がつくった最年少記録を更新するもの。1打差の通算4アンダー・2位タイにはイナリ、穴井詩、成田美寿々、申ジエが入った。(天候:晴れ、気温:26.1℃、風速:3.2メートル)

 強い者が勝つのではない。勝った者が強い。女子プロゴルファー日本一を決定する大一番。ライバルが猛追してきた。11番の第3打のあと、「負けたくないから、スコアを伸ばして勝つ」と、さらに気合を込めたという。

 ただ、楽には勝たせてもらえないのが、公式戦だ。残り3ホール。1年前のこのコースで行われたプロテストの悪夢が、頭をよぎった。16番、ボギー、17番、ボギー、18番、ダブルボギーという苦い思い出が…。テストには通ったが、目標だったトップ合格は自らのミスで霧散する。「あの時のような悔しい思いをしたくないから、頑張りました」という。

 ただ、優勝へのプレッシャーのためか、16番でボギーを叩く。この嫌なムードを払しょくしたのが、17番のティーショット。「彼女の人生で、これまでの人生で最高の一打が飛び出しました」と、ゴルフをはじめた時から指導する南秀樹コーチが目を丸めたほどだ。3メートルのバーディーパットもあっさり沈めて、鈴木も勝利を確信したという。プロテストから1年後、リベンジを果たしただけではなく、記録にも記憶にも残る優勝を果たした。


 ノンシードで、しかも大会初出場。宮里藍が2006年大会でつくった最年少記録も、破ってしまった。「宮里藍さんの優勝シーンをテレビで見たのが、ゴルフをはじめたきっかけ」というのだから、自身が一番驚いている。加えて、最終日はあこがれの上田桃子と、同じ最終組で優勝を争った。

 中学2年生の時、フランスで行われたエビアンマスターズ(現:エビアン選手権)のジュニア大会へ出場。この試合に出ていた上田桃子と撮影したツーショットが、宝物として、自宅のリビングに飾ってある。情熱を持ち、努力を重ねれば、個人スポーツのゴルフは、夢を現実にできるのが最大の魅力だ。この日の鈴木愛の姿を見て、あこがれるジュニアゴルファーも、きっと多いだろう。

 一方、優勝の原動力となったのは、負けず嫌いの性格。3日目は2、3番で連続ダブルボギーを叩いた。「自分であきれて、思わず笑ってしまいました。そうしたら、笑いが止まらなくなって…」。これは、現在、目標とする選手、申ジエから学んだことだ。「ボギーやダブルボギーを叩いても、いつもニコニコしていて…。そういうふうにできることは本当にすごいなぁ、と思う」。


 ミスを繰り返さないように、前日は夕暮れで、ボールが見えなくなるまで黙々と練習を行った。高校2年の冬、初めてスランプにぶち当たる。80台を切れなくなってしまった。スランプ脱出のために約一ヶ月間、猛練習を敢行したが、出口は見えない。嫌気がさして、練習を一週間休んだ。休養も練習のひとつといわれるが、「もっと、スコアが悪くなり、やっぱり練習をしっかりしないとダメだ、ということでした」。

 こんなエピソードもある。苦手だったパッティング練習をしていると、意外な楽しみをみつけた。「カップが小さいから、なかなか入らない。でも、ボールがカップインすると、すごくいい音がした」。やはり、練習は裏切らない。明日からの目標、ツアー2勝目を達成するためにも、これまで以上の練習量が必要となる。

 「優勝カップを掲げる自分を想像しながら、今日はプレーしました。でも、優勝できたというのに、全く実感が湧いてこない。なぜ、でしょうか?」と首をひねった鈴木。歴史をつくったヒロインは、いつのまにか普通の20歳の姿に戻っていた。


成田 美寿々 (2位タイ:-4)
「めちゃくちゃ悔しいですね。今日はトップと2打差で、追いつかないとだったので攻撃的なゴルフしてたけど、後半に入って失速しちゃいました。昨年のプロテストをやったコースでまた2位で、また同期に負けたのが悔しいです」。

穴井 詩 (2位タイ:-4)
「悔しいです。(今日は)わりとショットは良かったけど、パッティングが全然ダメで、せっかく近くについても外してばかりで…。ただ、メジャーで通用したことはいっぱいありました」。

申 ジエ (2位タイ:-4)
「最後のホールで劇的なアプローチのバーディーが取れてうれしかったし、4日間の最後の最後まで皆さんを感動させるようなプレーができてうれしかったです。鈴木愛さんは初優勝がこの大きなメジャー大会で、多くのベテラン選手に囲まれている中で優勝したので、本当におめでとうと言いたいです」。

イ ナリ (2位タイ:-4)
「今日はショットは普通だったんですけど、ロングパットがよく入ってくれたのでスコアにつながってくれました。このコースはボギーが出るのは仕方ないので、我慢しながらチャンスが来たら取って行きたいと思っていましたけど、後半に入って難しさを感じました。気持ちが入りすぎちゃったかなと思います」。

上田 桃子 (7位タイ:-1)
「今日はショットがひどすぎた。丁寧にやり過ぎたのもあるけど…。自分の持ち味である攻めのゴルフができなかった。メジャーは4日間丁寧にやりながらも、攻めるのも必要だなと改めて思いました」。

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