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2014.10.24

NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 2日目

人にやさしく、自分に厳しいがプロの極意
首位を快走する大山志保、ツアー通算2勝目を狙う渡邉彩香
それぞれの勝負哲学とは?

 2014年度LPGAツアー第32戦『NOBUTA GROUP マスターズGCレディース』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,520万円)が24日、兵庫県三木市のマスターズゴルフ倶楽部(6,445ヤード/パー72)で第2日が行われた。

 この日も、快調にスコアを伸ばし、通算12アンダーとした大山志保が単独首位を守った。1打差の2位には、1イーグル・7バーディーの63をマークした渡邉彩香。通算10アンダーの3位は、3週連続優勝を狙うアンソンジュ(韓国)がつけ、通算9アンダーの4位タイに、西山ゆかり、上田桃子。ディフェンディングチャンピオンの横峯さくらは、通算イーブンパーの49位タイで予選を通過した。 (天気:晴れ、気温18.1℃、風速:1.3メートル)


 静かな大山志保も、またいい。女子プロゴルフ界でナンバーワンともいえる、ガッツポーズでギャラリーを魅了するのが、代名詞。ところが、今大会はそれが、ない。「やるべきことをしっかりやるのがテーマ。リズムを崩さないことだけを心掛けている」。そんな内面の変化が、そうさせているのだろう。いつもは自然に出てしまう、ガッツポーズがない。「とても落ち着いている。ショットやパッティングも変わらずいいです。(修正中の)スイングも全体的にいいリズム」。控えめに話しているが、スコアはなかなかハデである。この日も6バーディー・1ボギーの67をマーク。猛チャージをみせた、渡邉彩香について、「途中、スコアボードを普通に見ていました。渡邉さん、すごいね、と話しながら…」。まるで他人事のようだ。

 好調の要因は他にもある。「ペアリングのおかげです」。予選ラウンドの2日間、同組でプレーした、横峯さくらとポーラ・クリーマーへ感謝のメッセージを伝えるのが、いかにも大山らしい心配りだろう。「2人のプレーを間近にみて、ミスの直後や、トラブルショットがあった際の対応など、勉強になりました。とにかく、2人はどんな時も自分のペースを崩さない」。動かざること山の如し、というわけだろうか。

 大山は、人にやさしく、自分に厳しいが身上。通算9アンダーで4位タイにつける西山ゆかりが、こんな舞台裏を明かす。「3年前のことです。特に面識がなかった大山さんへ、練習ラウンドをご一緒させてください、とお願いにいったら、すぐにいいですよ、と…。それから1年間、ずっと一緒にやらせていただきました。あの時のうれしさは一生、忘れません。今、私があるのも大山さんのおかげです。いいプレーを見せることが恩返し。今週は、大山さんとぜひ、上位で戦ってみたいと思っています」。

 そして、その話を大山へ伝えると、「私は、来てくれれば、誰でも大歓迎。西山さんは、とてもハートのある人ですよ。悩み事など、自分自身のことのように、考えてくれる」。実にうらやましい関係だ。そうはいっても、やさしくできるのは、「自分には、厳しすぎるぐらい厳しい。自分で限界を決めたくないから、まだ、できる、と言い聞かせる。ケガをしないように、もっと自分へやさしくできればいいんだけど…」と苦笑した。


 トーナメントレコードタイとなる63をマークした渡邉彩香。「チャンスというチャンスは、しっかり決められた」と満足そうにうなずいた。フルシーズンを戦うのは、実質2年目。初優勝を飾り、進化の過程にあるのは間違いないが、試行錯誤の日々が続いている。「チャンスにつけるには、やはりショットの精度をあげること。コーチからもたくさんやればいい、とアドバイスされました」。なるほど、その練習の成果が表れてきたのだろう。ところが、やるべきことは練習だけではない。9月には夏場の疲れが出て、体重が2週間で3キロも減ってしまった。「去年、トレーニング不足でスタミナ切れを起こしたから、今年はトレーニングをしっかりやっていたのに…。体重を戻すため、時間や場所に関係なく、1日5食をとりました。だいぶ、戻ってきましたね」。

 体重減は、飛距離を持ち味にする渡邉にとって大敵だ。何しろ「どんな試合でも、パー5のロングホールは、すべてが自分にとってチャンス。伸ばさないといけない、と言い聞かせている」という。この日のイーグルを加え、今シーズン6個のイーグル奪取数は、部門別ランキング1位タイへ躍進した。「獲れるものなら、タイトルは欲しいです。それと、今年の残り試合で、もう1勝。自分へプレッシャーをかけて達成したい」。今大会、仮に優勝すると、早くも、生涯獲得賞金が1億円を突破する。

アン ソンジュ (3位:-10)
「体が重く感じて、自分の飛距離が出ない。だから、アイアンショットは、自信をもって打つしかありません。決めたいところで、決められなかったけど、スコアが伸ばせただけで満足。早くホテルの部屋でゴロゴロとしたいです」。

上田 桃子(4位タイ:-9)
「テイクバックを上げる時にトップで間を感じたいなと思ってやったけど、今日はその間を感じようとしててタイミングがずれたりすることはあったけど、許容範囲でした。ミスしても許容範囲で収まっているので少しずつ技術も上がってきて、攻められるのも引き出しの一つかな。明日は伸ばせる位置なので、上だけを見てキャッチしていければいいなと思います」。

西山 ゆかり (4位タイ:-9)
「ショットも良かったけど、パッティングが特に良かった。ここ数戦は、シード権獲得のことばかりが頭にありました。そのせいか、気持ちよくプレーできなかったけど、今週は切り替えています」。

テレサ・ルー (6位:-7)
「バーディーチャンスは、たくさんありました。でも、パッティングがダメ。とにかく入らなかったです。でも、ドライバーや、アイアンショットの感じはいい。あすは、自分のベストプレーができますように…」。

ポーラ・クリーマー (7位タイ:-6)
「昨日に比べるとティーショットとセカンドショットが良くなかったです。それでも後半持ちこたえて、うまくまとめられたと思います。(目標は?)もちろん優勝を目指しています。かなりいいスコアを出さないと難しいと思うので、一つでも多くバーディーを獲って優勝争いに食い込んでいきたいです」。

鈴木 愛 (7位タイ:-6)
「ドライバーショットのタイミングが悪く、ティーショットが途中まで左へ曲がっていました。だから、アイアンショットが助けてくれたのでしょう。おかげで、2日間、ノーボギーでプレーできました。あすは、優勝を目指して、ビッグスコアを出すことをテーマにします」。

柏原 明日架 (7位タイ:-6)
「10番でダブルボギーを叩いたのは残念だけど、1ホールで何度もミスをした結果ですから、気持ちを切り替えて、次のホールへ持ち込まないようにした。きょうは、前半からパッティングのフィーリングが良かったです。8月から中尺タイプを、34インチのレギュラーに変更。新しい挑戦がようやく実を結んできました」。

藤田 幸希 (7位タイ:-6)
「きのうから、ショットがとてもいい。2日間でグリーンを外したのは1回。あすも頑張ります」。

吉田 弓美子 (7位タイ:-6)
「第1日から、ショットが安定しています。だから、ボギーを叩かないように、が目標でした。でも、13番で…。上がりの3ホールで修正しました。最終日、トップ5へ入れるように頑張ります」。

大江 香織 (7位タイ:-6)
「調子はきのうの方が、ずっと良かった。悪いなりにうまくスコアがまとまった。そんな感じです。なんでだろう…」。

イ ボミ (14位タイ:-5)
「今日はショットが良かったけど、パットが上手く打てなくて…。後半はあまり考えないようにして、明日、明後日につなげようと思ったらラッキーもあって、バーディーが続きました。(決勝ラウンドに向けて)ショットの調子は良いからパッティングが入ればビッグスコアが出ると思うし、入れたいと思いすぎないで目の前のことに集中してプレーしたいと思います。明日からもっと集中して頑張ります」。

小楠 梨沙 (18位タイ:-4)
「パッティングでずっと悩んでいたから今週、パターを思い切って変更しました。それが良かったと思う。それから、予選カットラインを意識せずにプレーできたことも自信になりました。下を見るより、やはり上を見ないといけません。あすも前向きな気持ちでプレーします」。

不動 裕理 (18位タイ:-4)
「入院中の知人のために、最終日、テレビ中継で映るように頑張る。ティーショットがすごくよりなりました。決勝ラウンドでは毎日、60台を出したいですね」。

申 ジエ (38位タイ:-1)
「第1日、77を叩いたけど、予選通過をあきらめていなかった。新しい気持ちで臨むため、パターを替えました。そのおかげでしょうか、6連続バーディーがとれたのは…。今まで、韓国とアメリカのツアーで1度ずつ経験があります」。

横峯さくら (49位タイ:±0)
「(前半は)ほとんどチャンスだったんですけど…。カップに蹴られたり、距離感が合わなかったりで…。(予選通過で)あと2日間はできるので、ショットも悪くなし、後はパッティングが入ってくれればと思います」。

勝 みなみ (49位タイ:±0)
「前半は、ショットがピンに絡まなかったので、チャンスがつくれなかった。それに比べると、後半はかなり良かったです。プロの試合は、いろいろな方のプレーを見て勉強する場所。あすも勉強します」。

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