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2014.11.30

LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 最終日

テレサ・ルー、豪雨の激闘を制してメジャー連勝!
夢が広がる2015年 目標は史上初の年間平均ストローク60台

 2014年度LPGAツアー最終戦『LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』(賞金総額1億円、優勝賞金2,500万円)の大会最終日が、宮崎県宮崎市の宮崎カントリークラブ(6,428ヤード/パー72)で行われた。

 優勝争いは、通算10アンダーで並んだテレサ・ルーと穴井詩のプレーオフへ突入。2ホール目にルーがバーディーパットを沈めて雨中の激戦を制し、今シーズン3勝目をマーク。同一年度の公式戦2勝は、2009年の諸見里しのぶ以来、史上11人目の快挙。5年の複数年シードを獲得した。通算6アンダーの3位タイには、大山志保とジョンヨンジュがつけた。(天候:雨、気温:15.0℃、風速:1.3メートル)

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 試合終盤から強くなった雨が、プレーオフ2ホール目を迎え、ますます激しくなってきた。普段は笑顔を絶やさないテレサ・ルーが、恐ろしいほどの気迫をみなぎらせる。5メートルのバーディートライ。「2パットでいいと思っていた。とても難しいライン。ほぼ、90度曲がるイメージです。今日は、パッティングがサッパリだったけど、最後の最後で最高のパッティングができました」。

 雨中の激闘。スタートから流れが良かったとはいえない。1番で3パットのミス。いきなりボギーが来る。「仕方がないことです。でも、まだ17ホール残っている」と気持ちを切り替えた。今大会、アドバンテージとなったのが宮崎カントリークラブだろう。「台湾には、高麗グリーンのコースがたくさんある。去年のオフにはそこでアプローチの練習をたくさんした。もちろん、風が強く吹くところが多いから、3日目の強風も気にならなかったです」と振り返った。

 そんなルーだが、課題はメンタルの弱さだ。プレーオフ、1ホール目の第1打。「緊張するとティーショットが左へ曲がる。ただ、あの時は、木に当たって下に落ちてくれた。だから、とてもツイている、と感じましたね」。優勝インタビューで何度か、「ツイていた」と繰り返したのはそんな要因がある。「トップに立つとドキドキしてしまう」といい、最終日の猛チャージが必勝パターン。しかし、今回は穴井とマッチレースとなった。「穴井さんも素晴らしいプレーをしていた。やっぱり、優勝できたのは私の運が少しだけ良かったのかも…」。勝利後のインタビューでは、ライバルへの気遣いも見せた。  

 2011年から日本ツアーへ本格参戦。昨年は賞金ランク3位へ躍進して、今年は今回の優勝で2位とさらなるステップアップを示した。加えて、日本女子オープンに続いての同一年度公式戦2勝は、史上11人目の快挙。同時に、5年シードまで獲得し、2014年は忘れられない一年となったに違いない。「自分のプレーにもっと磨きをかけたい。来年は、年間平均ストローク60台を目標にします」と一層の努力を誓った。ところで、日本ツアーで成功する秘訣は何か―。

 「ツアーはもちろん、日本はすべてが最高。大好きです。皆さんがやさしいし、ごはんがおいしい。すき焼きが一番好き。それから…。国内の移動がアメリカに比べたら楽です。アメリカツアーの再挑戦? まったく考えていない。ずっと日本でプレーしたい」と話し、「だけど、また優勝できるか、自信はありません」。常に控えめ。まるで、大和なでしこのようだ。


 課題はたくさん見つかった。しかし、穴井詩の初優勝はまたもお預け。気にしないようにしていても、どこかで優勝を意識しすぎたのだろう。「やっぱり、3番からの3連続ボギーです。前半でバタバタして、立て直すことに苦労した。でも、あの3連続ボギーを叩いてから、開き直ることができたのも確かです。3番のパッティングは、手が動かなかったです。私の勝ちはあれでなかった…」。

 一方で、自身に課した「最後までスコアボードを見ない」というルールは、最後まで貫いた。しかし、「だんだんカメラマンの方の数が多くなってきた。それとなくわかりましたね」とも。プレーオフで敗れた直後、涙が止まらなかった。「次がある」と自分に言い聞かせても、やはり悔しい…。

 「何が足りないのか? ボギーが多いことだと思う。それからグリーンまわりのアプローチも、まだまだですね。オフにたくさん練習をします」。ツアー屈指の飛距離を誇る天性の素質に恵まれている。流した涙の数だけ、人生があり、さらに初優勝の喜びは大きくなるだろう。


大山 志保 (3位タイ:-6) 前年度優勝者
「今日も悔しかったですね。前半チャンスでことごとく入らなくて、なんで入らないんだろうと…。途中でこの高麗グリーンに対応できて、自分らしいパッティングもできたのですが…。ちょっと遅かったですね。(今年を振り返って)2勝できたし、怪我なく一年試合に挑めたのは良かったです。飛距離も伸びているし、ショット、パット、アプローチ全てでレベルアップしました。今後の自分に期待できる一年でした」。

ジョン ヨンジュ (3位タイ:-6) 一時は首位と1打差に迫ったが、後半で失速
「チャンスがたくさんあった。でも、パッティングが3日目と比べたら、入らない。この経験を来年に活かしたい。オフは体のケアをしっかりやります」。

渡邉 彩香 (5位:-5) 今季最多イーグル数を獲得
「(今季最多イーグル数)ロングホールで2オンを狙えるのは飛ばし屋ならではだと思うし、来年は2ケタを目指していきます。(今年を振り返って)今年は初優勝が目標だったので、そこは良かったです。でも後半戦で2勝目のチャンスがありながら、それをモノにできなかったので、今は悔しい気持ちが強いけど、今年は予選落ちが3回だったので、安定して一年間過ごせたのは良かったと思います」。

香妻 琴乃 (6位:-4) 賞金ランキング19位で初シードを獲得
「今日はパッティングが全く入らずスコアにならなかったので、最終日にそういうプレーをしたのが悔しかったです。(今年を振り返って)結局優勝できなかったので、目標は何も達成していないです。でも、昨年よりは自分のプレーの仕方とか、ショットとかパッティングの力も付いてきているなと試合中感じました。優勝争いも何試合か経験できたので、オフの練習とかトレーニングに活かして、来シーズンに向けて頑張りたいです」。

森田 理香子 (10位:-2) 昨季の賞金女王
「後悔が残る試合でした。ちょっともったいないことが多すぎました。(今年を振り返って)今年は、成績は良くないし、技術面で成長できていないと言われても仕方ないけど、やりたいことはできたし、来年に向けてやらなきゃいけないことを見つけた感じです。昨年賞金女王を獲ってからの気持ちと、今年終わってからの気持ちとでは、今年のほうがモチベーション高いし、やりがいがあります。また女王を獲りたいと思わせてくれる一年だったと思います」。

原 江里菜 (11位:-1) 未勝利ながらも賞金ランキング9位
「今日は思うようなプレーができなかったけど、上出来だと思います。(今年を振り返って)優勝したかったので悔しい気持ちはあるけど、シードがなかった時のことを思うと良い一年だったと思います」。

勝 みなみ (24位タイ:+6) 大会史上初のアマチュアでの出場
「今日は楽しく回れましたが、今大会は、パッティングに苦しめられるところがあってちょっと悔しいですけど、こういう経験も必要かなって思いました。(今年を振り返って)今年一年間は、自分の中で革命が起きた感じでした。プロの試合で優勝すると思っていなかったので…。来年も優勝したいです」。

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