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2020.8.17

申ジエ~スペシャル・トリロジー 《アイデンティティー》

 一日千秋というたとえがある。リモート取材でディスプレイに映し出された申ジエの表情は、そんな表現があてはまった。新型コロナウイルス感染症の影響で、なかなか入国がかなわない。しかし、「私は、日本女子プロゴルフ協会のメンバーです。第一にJLPGAツアーのことを考えた」。トレーニングを続けながら、その日を待っている。今回のロングインタビュー、改めて思いやり、やさしさを感じた60分間でした。

(メディア管理部・中山 亜子)

 ワールドワイドに活躍する選手。試合を求めて、どこへでも出かけることが当然かもしれない。ましてや08、12年と2度の優勝を飾っている全英女子オープンへエントリーしなかったことは、驚きだった。英国政府が特別措置として出場選手へ、自己隔離が免除される。にもかかわらず、申ジエは出場を見送った。いったい、どんな経緯があったのか。

 「最初に日本のファンのみなさまへ、ごあいさつをしたい。そう思ったからです。私はJLPGAのメンバー。入国が緩和され、日本でプレーできる日が近い。しっかりと準備をしている。確かに、全英はいい試合で、相性がいい。しかし、帰国した時には自主隔離、リスクが伴う。それならば、韓国で調整を続けながら日本へ入国できる日を待ちたい。先ほど、お話したようにJLPGAツアーで、最初に日本の皆さんへごあいさつすることが私にとって大事なことです」

 つまり、アイデンティティーということだろう。

 「1日でも早く来日したいです。JLPGAの皆さん、その他のたくさんの方々が私たちのために、一生懸命に入国緩和を働きかけてくださっていることを存じています。本当にありがたい。家族は外国でプレーすることを心配している。そうはいっても、私はプロゴルファー。試合でプレーすることで、生きている-ということが実感できる。トーナメントで味わう気持ちの高揚は何ものにも代えがたい。KLPGAツアーへ出場する選択肢もあったけど、その時間をトレーニングへ費やした。こんなに休んだというか、試合へ出場しなかったことは人生で初めて。おかげで、気になっていた故障が癒え、トレーニングをたくさんしました。だから、体がとても元気。いいプレーをたくさんお見せすることができるでしょう」

――アース・モンダミンカップは残念でした。
 「そうですね。去年、いい思い出をたくさんつくった大会。いいショットがたくさんあった。ディフェンディングチャンピオンとしてプレーがしたかったけど、過ぎたことですよ。今は、来年の大会で歴代チャンピオンとして、どんなプレーが披露できるかなど、これからのチャンスを思い描いている」

――どのようなトレーニングを行っているか。
 「去年、みなさまが心配してくださった右手首、左ひじの治療を中心に、トレーニングやバランスの運動をしました。最近は、筋トレも行っている。いつ試合があってもいい状態に準備が整っています。ゴルフには、さまざまな運動が必要だと思う。ジャンプやバランス、反発力などです。ボールを打つことはもちろんですけど、シーズン後半は4日間大会がたくさん。ハードなスケジュールを乗り切る準備が大切です」

――また、いち早く日本へマスクなどの支援物資をありがとうございます。
 「JLPGAの皆さん、日本の関係者の皆さんへ、恩返しがしたかった。これまでたくさん、お世話になったからです。コロナウイルス感染症で緊急事態宣言が出たニュースを知り、すぐに手配をしました。マスクはみなさまの健康、安全につながる。迷わず、マスクだと思った。韓国でも、マスク大乱などと、物資の不足が深刻。連日、メディアも大きくとりあげていました。お金の問題ではありません」

=つづく

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