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2020.11.7

改善・前進・浮上 渋野日向子-今季初の69

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

TOTOジャパンクラシック 太平洋クラブ 美野里コース(茨城県)第2日

 スマイリングシンデレラに少しだけ、笑顔が戻った。不振に悩む渋野日向子は4バーディー、1ボギーの69。通算4アンダー、28位タイへ浮上した。「今年、日本で初めて60台を出せたことは良かったです」と控えめながらも、喜びの言葉が飛び出す。第1日、ダブルボギーを叩いた4番でバーディー。ボギーの8番でもバーディーを奪ったことが大きい。「リベンジできた。4番できのうから3打も縮め、8番は半分に」。なるほど、その通りだ。

 この日は裏街道と呼ばれる10番からのスタート。序盤から、好調のショットで再三、チャンスをつくったがバーディーパットが決まらない。「スライスラインを右へ外す、やりたくないことが多くて、イライラしました」そうだ。それでもパー5の17番。5Wを選択した、残り203ヤードの第2打がグリーンをとらえる。6メートルのイーグルチャンスは逸したものの、楽々とバーディーを奪ったシーンは去年の雄姿をほうふつとさせた。

 「前半、耐えて、ボギー先行にならなかったことは、今年の私にしては良かった。ちょっとは変わってきたのかなぁ」と手応えを感じた様子だ。首位の申ジエとは9打差がついたが、「全く気にしていません。気にするような内容ではない。今は、自分がやるべきことを行うだけで精一杯」。ファンにしてみれば、このひとことはちょっとさみしいが、「3日間戦えるのって、本当にうれしい」と足元をみつめた。「ゴルフに100%はない。地道にやっていくしかない」と繰り返す。スコアにかかわらず、連日の取材では100パーセント本音の神対応。このひたむきな姿もまた、美しい。

(オフィシャルライター・宮脇 廣久)

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