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2021.5.27

稲見萌寧 全集中の暫定首位発進

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGA ツアー2020-21シーズン第27戦『リゾートトラスト レディス』(賞金総額1億円・優勝賞金1,800万円)が5月27日、愛知県豊田市・セントクリークゴルフクラブ(6,605ヤード/パー72)で開幕。第1ラウンドは降雨のため、約5時間の中断をはさみ午後6時29分、日没のためにサスペンデッドとなった。ホールアウトした選手の暫定首位は4アンダーの稲見萌寧、比嘉真美子。1打差の3アンダーで上田桃子が続いている。半年ぶりにツアーへ復帰した大山志保はイーブンパー、33位タイ。第2日は午前7時から第1ラウンドを再開し、続いて第2ラウンドを行う。
(天候:雨 気温: 15.1℃ 風速:0.9m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/2フィート コンパクション:23mm》

 類まれな精神の強さ。改めて、稲見萌寧の進化を間近にした。パー5の最終18番を迎えたのは午後6時。あたりは少し薄暗くなっていた。午前8時にスタートし、中断をはさんで約10時間以上の長丁場。早朝、クラブハウスを訪れ、12時間以上が経っていた。しかし、集中力は衰えない。残り226ヤードを2オンに成功。バーディーフィニッシュで第1ラウンド暫定首位に立った。

 「ショットはダメだったけど、アプローチが良かったと思います」という。パー3の17番は薄氷のパーセーブ。「(同組の新垣)比菜さんの第1打が池へ…。私もフェードです。急に左が気になって仕方がない。思った以上に左へ行き、とても難しいアプローチが残った」と状況を説明した。とはいうものの、58度で絶妙のアプローチを披露。ピン1メートルへ寄せ、パーセーブに成功している。「あのおかげだと思います。18番のバーディーは」と、ひとつ頷いている。

 4バーディー、ノーボギーの68。「ホールアウトできて、ホッとした」と本音が漏れた。約5時間の中断は、6番・第1打の直後。クラブハウスで待機した。「(原)江里菜さん、(有村)智恵さん、(藤田)光里さんなど、先輩方とトークで盛り上がった。さらには、古江さん、(イ)ボミさん、(キム)ハヌルさんともお話を。内容は秘密です」としたものの、試合中である。他愛のない会話でリラックスすることを優先。

 集中することが自然にできる。天性の資質をもつ。「オンとオフを切り替えているわけではない。1日の大半、ほぼゴルフの練習へ費やしている。オフなどありません。ただ、集中しなければいけない時は、スッと入ることができる」。ピンチを迎えれば、きっとより冷静になるに違いない。プレー再開後も淡々とプレーを重ねた。 

 長い1日を、「ノーボギーがうれしい。あしたは午後からのスタートになるでしょう。午前中は少しゆっくりするつもりだけど、コースへは早めに来て、調整します」と準備を整える。前週の内容から、敵なしですね-と水を向けてみた。そうすると、「いやいや、敵だらけです」とジョークが飛び出す。なるほど、好調が長いわけだ。

(メディア管理部・中山 亜子)

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