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2021.6.10

スランプ脱出のフルスイング 葭葉ルミ、原点回帰 

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)第1日

 好事魔多しの不安が過った。葭葉ルミは快調にスコアを伸ばし、16番へ。第1打をバンカーへ打ちこんだ。そして、脱出に2打。さらに、2パットでダブルボギーを叩いた。しかし、この後が違う。パー5の17番。残り80ヤードの第3打を58度で起死回生のイーグル奪取を披露した。「ダブルボギーがあったけど、これも私のゴルフかなあ、と思います」と一笑に付してしまう。この日は1イーグル、7バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの66をマークした。首位に2打差の2位タイ発進は3月のアクサレディス以来だ。

 14番、30ヤード手前から58度でチップインバーディー。続く15番では8メートルのバーディーを決めている。後半、出入りは激しかったが鋭さを秘めていた。久々にダイナミックなプレーを拝見。「60台のスコアは、久しぶりでした。前回、いつだったかなぁ」とつぶやく。前週まではどん底といっていい。7戦で5回の予選落ちを喫している。本人に代わって調べると、60台をマークしたのは4月のフジサンケイレディスクラシック第1日以来。16ラウンドのごぶさただった。もうひとつ加えると、リゾートトラストレディス最終日には82の大叩きまで。

 不振の要因は、「距離に合わせ、加減して打っているうちにティーショット、セカンドの距離感が合わなくなった。本来の飛距離がわからない。本当にこまった」という。他の選手がうらやむ、抜群の飛距離が諸刃の剣へ変わってしまう。ゴルフの恐ろしさでもある。ただし、手をこまねいているわけにはいかない。原点に返り、今大会から、「クラブを振り切る」を徹底。

 迷いがなくなった。さっそく、1番から2オンに成功。「予選通過を目指しているのではない。自分のプレーをしたかった」と必死だった。「ボールを曲げたくない時は、6割のスイング。きょうは105%でクラブを振った。ほぼ全力、一球入魂という感じす」と歯切れが良いコメントが並ぶ。当然ながら、スコアは想定以上。「すべてがいい方向へ行った。ようやく、ぐっすり眠れます」と相好を崩す。

 2016年夏のニッポンハムレディスでJLPGA初優勝を飾ってから、2勝目へなかなか手が届かない。再び、夏がやってきた。コロナ禍を一掃するような爽快なプレーを、あすも乞うご期待-。

(オフィシャルライター・宮脇 廣久)

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