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2021.7.2

服部真夕 スイッチ転向で感涙V

<Photo:Ken Ishii/Getty Images>

 2020-21シーズンJLPGAステップ・アップ・ツアー第15戦『Skyレディース ABC杯』(賞金総額4,000万円、優勝賞金720万円)大会最終日が2日、兵庫県加東市・ABCゴルフ倶楽部(6,590ヤード/パー72)で行われ、服部真夕が通算9アンダーで優勝。6年ぶりのVは苦難を克服した、復活の証明だ。3打差の通算6アンダー、2位はリハナ。大逆転を狙ったホステスプロ・仲宗根澄香は3位に終わった。
(天候:曇り時々雨 気温:25.4℃ 風速:4.6m/s)

 服部真夕のロングパットが、きょうも冴えた。経験豊富で勝負所を知っているかのようだ。17番、7メートルのバーディーを決めたシーンが最も印象に残った。3打差をつけて、18番へ。ところが、楽には勝たせてもらえない。「本当に緊張した。最終ホールは第1打を左に曲げ、第3打でグリーンの上の段へボールが…。そこでひと安心です。でも、ホッとしたのは優勝インタビュー。いいものですね。優勝ってこんな感じだったなぁ。ゴルフを続けて良かった。いろいろなことが脳裏を過った」といい、「泣かないつもりでしたけど、知らないうちに涙が流れてきた」。

 2015年CAT Ladies以来の優勝である。苦悩の6年間は、新しいスタイルを構築するため試行錯誤に明け暮れた。「アプローチ、ショットの不調が原因です。悩んだなんて生易しいものではなかった。思い立ったことをすべて試した」そうだ。試合では、左打ちのアプローチを目撃。「1年前のアース・モンダミンカップで本格的にチャレンジ。バンカーショットは右でもオッケーです。でも、ショートアプローチになるとうまくいかない。56度の左用クラブをゴルフショップで購入して使っています。それが今の私。4日間大会で勝てた。自信がわいてきましたよ」とうれしそうに語った。世にもマレなスイッチゴルファーは、こうして誕生したのである。

 ステップ・アップ・ツアーの賞金ランキングは、一気に3位へ。22年のJLPGAツアー前半戦出場権が獲得できる、2位以内が視野に入る。「(今回の優勝で)ファーストQTをパスできたのはうれしい。でも、これからが勝負です。当然、ステップの賞金ランキングを意識します。必ず、JLPGAツアーへ戻る」と強い決意を示す。72ホールで披露した技の数々。無限大の可能性をアピールしながら、悩むより試せ-との信念が宿っていた。

(ステップ・アップ・ツアー担当=新納 智明)

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