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2021.7.4

鈴木愛 涙があふれた595日ぶりの逆転V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGA ツアー2020-21シーズン第32戦『資生堂 レディスオープン』(賞金総額1億2,000万円・優勝賞金2,160万円)最終日が7月4日、神奈川県横浜市・戸塚カントリー倶楽部(6,570ヤード/パー72)で行われ、鈴木愛が通算10アンダーで逆転優勝を飾った。通算17勝目は19年伊藤園レディス以来、595日ぶりの勝利。悪天候の影響で36ホールの短期決戦となった今回、1イーグル、3バーディー、1ボギーの68で大混戦にピリオドを打った。1打差の9アンダー、2位タイは西郷真央、勝みなみ。
(天候:雨 気温:20.3℃ 風速:1.5m/s)
《グリーン=スティンプ:10 3/4フィート コンパクション:22mm》

 いつかは来ると感じたチャンス。鈴木愛が迷走の出口としたのは、18番のパーセーブだった。1.2メートル。近くて長い。しかも、フックラインがやっかいだ。それでも、「自信をもってストロークできた。その証拠にカップのど真ん中から入ったでしょう」と話した。

 西郷真央、勝みなみの追撃を許さない。1打差で595日ぶりに優勝を飾った。この日は2位スタート。久々の優勝争いだ。5番で8メートルのバーディーが決まる。前半、3バーディーを奪った。

 ただ、後半に入ると、なかなかバーディーが決まらない。ちょっとイヤな感じがした。14番、右横8ヤードからの第2打が3メートルもオーバー。これが要因で今大会、初のボギーを叩く。「2日間、プレーしていれば、ひとつぐらいボギーは来るものです。少しも、マイナスにとらえることがなかった。小さなことだけど、このあたりの気持ちの持ちようが違いました」と、内面の変化を告白する。

 気分一新。ピンチのあとにチャンスがやってきた。パー5の16番。残り97ヤードの第3打をPWでイーグルを決める。「奇跡」と目を丸めた後、「本当は50度の距離だったけど、手前にマウンドがあり、ピンの奥へボールを運ぶ作戦。軽めのショットだけど、ちょっとダフってしまった。私はそれほどイーグルがとれる選手ではない。それが、きのうときょうと2つも…」と苦笑しながら、グイッと優勝を引き寄せたワンショットを解説した。

 勝利を手中にするためには、日々の鍛錬がモノをいう。長いスランプ期間中も、居残りの愛のスタイルは変わらなかった。「皆さんから、たまには気分転換に休むことも必要だとアドバイスをいただいたけど、私の仕事はゴルフ。試合でひとつでもいいスコアで上がりたい。そのためには、練習を重ねることが大切です。きのうも、スタートが遅れて、ホールアウトは遅い時間だったけど、クローズするぎりぎりまでコースにいた。きょうは66が出たけど、次の日も同じスコアが出る保証はありませんよねぇ」。

 昨年から、結果が出ないシーズンが続いたものの、ルーティンは変わらない。最後にクラブハウスを出る選手に-を貫き通す。そんな努力が報われないはずはない。首位に立ってからの、残り2ホールも、「強く優勝を意識していなかった。17、18番のパーセーブも、苦しくて、悩んでばかりいたけど、いつも練習で繰り返していることだ、と言い聞かせたら、とても気分が楽に打てました」という。

 優勝が決まり、表彰式でも涙が止まらない。まるで苦悩を洗い流すようだ。「こんなに長く優勝から遠ざかるなんて…。本当に長かった」と、前置きし、「すべての方へ感謝申し上げます。本当に、本当に、ご心配をおかけいたしました。私は今回の優勝が人生のターニングポイントになるような気がいたします」。深々と頭を下げた。

 負のスパイラルの数々は、歴史に名を残すような名手にはつきもの。伝説はこうしてつくられるものだ。

                          (メディア管理部・宮崎 善秀) 

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