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2021.8.15

5カ月ぶりの開花 小祝さくら圧倒V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGA ツアー2020-21シーズン第37戦『NEC軽井沢72ゴルフトーナメント』(賞金総額8,000万円・優勝賞金1,440万円)大会最終日が8月15日、長野県軽井沢町・軽井沢72ゴルフ北コース(6,679ヤード/パー72)で行われ、小祝さくらが今季4勝目を飾った。折からの悪天候で27ホールの短縮競技に。第1日、首位に立った小祝はこの日も2バーディー、ノーボギーと好調なプレーを披露し、通算10アンダーで通算5勝目をあげた。2位は通算アンダーのサイペイイン。東京オリンピックで銀メダルを獲得した稲見萌寧は通算3アンダー、19位タイだった。
(天候:雨 気温:18.2℃ 風速:1.7m/s)
《グリーン=スティンプ:11 3/4フィート コンパクション:21mm》

 約5カ月ぶりの今季4勝目。小祝さくらは27ホールの短縮競技で圧巻の強さを披露。「きょうは9ホールのプレー。スタートして、アッという間です。まだ、実感がわいてこない。最終ホールで最後のパッティングをした後も、まだあと9ホール-という気持ちがした。この1週間、長いようで短かったです」と、言葉を選びながら優勝会見へ臨んでいる。

 大会第1日、64の好スコアでアドバンテージを握った。その時、まさか悪天候で第2日が中止、最終日が9ホール勝負になろうとは予想していなかっただろう。この日は3打差をつけてスタート。序盤、1打差まで迫られたがそのプレーには自信がみなぎっていた。パー5の13番、第3打をピン30センチにつけ、最初のバーディーを奪う。

 そして、続く14番でも3メートルのバーディーパットを落ち着いてカップインさせる。この時の心境を、「スコアを落としたら、追いつかれます。周囲のスコアはまったく考えていなかった」。集中力が持続する。ミスをしてラフからのショットでも、まったく危なげがない。

 というのも、オープンウィークで再調整がうまくいったから。故郷の北海道でかなりの練習を積んだ。少し前まで、「試合を休んでもすることがない」と漏らしていたことがうそのようだ。「今大会は安心感があった。2週前まで、いつも気がかりだった不安要素が消えたのです。試合がなかった前週、しっかり練習ができたことが大きいと思う」。しみじみと語っている。

 そして、意外な決断を明かす。「10月、1試合だけお休みをいただき、また優勝できるように調整したい」。18年開幕戦から、連続試合出場を重ねる。ここまで114試合。先のこととはいえ、記録が途切れてしまうのは残念でならない。ただ、二兎追うものは-のたとえがあるように、賞金女王のターゲットを最優先したからである。

 「コーチから、終盤戦の前でしっかり調整して、シーズンの残り試合で優勝を狙った方がいい、とアドバイスを受けた。ラストスパートです」と力強く言い切った。ただし、頂点を目指す心情の変化に、当の本人が一番驚いている。

 「アマチュアの時、勝(みなみ)さん、畑岡(奈紗)さんが圧倒的に強かったです。私は、プロになれるかどうか…。そんなひとりでした。でも、上手でなくても、ここまで来ることができました」。遠くを見る目で話す。その上で、「今年の優勝は、みな悪天候を克服してのものでした。以前は、悪天候でいいプレーなどしたかことがない。状況に応じ、いろいろなボールが打てるようになったからでしょう」と加えた。

 黄金世代は通算28勝。JLPGAツアー5勝目は、勝と並んだ実力者の証明だ。今シーズンは37試合出場で4勝は、勝率で約11%。約9試合で1勝という計算になる。デッドヒートを展開する賞金ランキング争いでも再び、リードを広げた。

 稲見萌寧は前週、オリンピックという貴重な体験で自信をつけ、小祝も新たな調整法を養っている。まさに、時は金なり。

(メディア管理部・鈴木 孝之)

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