1. ホーム
  2. ニュース&トピックス
  3. 10月10日10アンダー 渋野日向子・復活V

2021.10.10

10月10日10アンダー 渋野日向子・復活V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGA ツアー2020-21シーズン第45戦『スタンレーレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円・優勝賞金1,800万円)大会最終日が10月10日、静岡県裾野市・東名カントリークラブ(6,592ヤード/パー72)で行われ、渋野日向子が激戦を制した。勝負は通算10アンダーで並んだ、アマチュア・佐藤心結、ペソンウ、木村彩子の4人プレーオフへ。PO2ホール目で渋野がバーディーを奪い、19年大王製紙エリエールレディス以来のJLPGAツアー通算5勝目を飾った。2連覇を目指した稲見萌寧は通算7アンダー、8位タイ。
(天候:曇り 気温:25.6℃ 風速:1.4m/s)
《グリーン=スティンプ:12フィート コンパクション:23mm》

 10月10日、渋野日向子が約2年ぶりに通算10アンダーで優勝。それにしてもすごかった。試行錯誤の空白期間を一気に埋めるような、スーパープレーの連続。長いスランプの出口は突然、出現した。

 「不思議な気分。勝てなかった2年間、短くて長い。長いようで短かったのか、よくわかりません。(優勝が決まって)泣いちゃいましたけどね」。前日のことだ。この時を予告したかのように、「18番で1打差なら(優勝を)狙いに行く」と漏らしていた。

 そして、その通りに。最終18番、残り95ヤードを52度で、1メートルのバーディーチャンスをつくった。楽々とカップインさせる。首位に並んでプレーオフ進出を決めた。「第1打から3回のショット、すべてがここまで取り組んできたことの集大成。特に3打目が見事でした」と自画自賛。同時に全身へパワーがみなぎったように感じる。

 大激戦、4人のプレーオフは同じ18番を使用。1ホール目でバーディーをとり、2ホール目へ向かった。ここでも一糸乱れぬような精度を発揮。108ヤードの第3打を46度で1.5メートルにつける。2度できたことは、3度。むろん、外すわけなどない。逆転でしかも、復活Vのシーンはスマイリング・シンデレラ・アゲインだった。

 サンデーバックナイン。10番でボギーを叩いて、首位とは4打差をつけられた。ただし、自身の代名詞はバウンスバックである。11番、お先に-のバーディーで取り戻し、15番のボギー後は、16番で鮮やかなチップインバーディーを演出。

 「15番で、情けねぇと思ったけど、あきらめない。もちろん、16番は(チップインを)狙った。4本のウェッジをずっとずっと、たくさん練習。1ヤード、2ヤードの精度へつながったと思います。ジャストタッチで、しかも速いグリーンで、あんなにきれいに決まるなんて…」と、ひとこと、ひとことをかみしめながら説明した。

 一方で、2年間にわたる苦悩の日々へ思いを馳せる。「もう、勝てないのでは。そんな気持ちが、めちゃくちゃありました」といい、「この年齢でいうのもおかしいけど、女子ゴルフ界は世代交代がとにかくはやい。私も置いて行かれる。そういうことは感じたくなかったけど」。

 ただし、前週にうれしいことがあった。「ギャラリーの皆さんの声援がうれしかった。私が初優勝する以前からのファンの方々。優勝してから応援してくださる方もいます。前週は、久々の有観客。ロクでもない私を本当に応援してくださる皆さまがたくさんいました。今回は残念なことに無観客だったけど、一生懸命にプレーできたことはファンの皆さんのおかげです」。

 10という数字は、1と0の組み合わせ。1はすべての始まりで、0は始まりも終わりもない無限を表す。要は限界がないこと。「耐えた新しい私。その中には19年までの私もいる」と新たなスタートを宣言した。10月は神無月でも、努力を重ねていれば必ず報われることを証明。

 それだけに、会見の締め言葉は、「また、次週もよろしくお願いいたします」だった。

(メディア管理部・宮崎 善秀)

このニュースをシェアする

記事検索記事検索ARCHIVE

年を選ぶ arrow
月を選ぶ arrow
カテゴリ arrow
search検索