葭葉ルミ　人生初エースで流れが変わる

＜Photo：Toru Hanai/Getty Images＞

TOTO ジャパンクラシック　瀬田ゴルフコース北コース（滋賀県）最終日

　幸運は突然やってきた。葭葉ルミが15番で、人生初のホールインワンを達成。「ここまでのスコアが悪すぎたから、感極まりそうになった。でも、涙を流している時ではない。わかっているけど、とにかく、うれしい」と、一気にまくし立てた。

　ただし、「カップインしてから、体の動きがおかしくなった。恥ずかしいです。久々に、私がテレビに映りますね」とも。この日、実測距離は115ヤード。PWの第１打は抜群の手応えがあった。「ティーイングエリアで、ホールインワン達成・300万円の看板があった。わかっていたけど、まさか－びっくりです。打球がピンへ当たる音がして、パチ、パチ、パチと拍手の音が聞こえる。その後、とにかく落ち着け、と言い聞かせながら、グリーンへ向かった」そうだ。

　エースはプライベートを含め、初めての経験。「第１打がOBで打ち直しがプライベートで、入ったことがあっても、それってホールインワンではない。パーでしたね。夏場からショットの調子がいまひとつ。かなり打球が荒れていた。でも、ここにきて、本当にショットの感触が良くなり、調子が上がってきたことがわかる。きょうも、ホールインワンのおかげで、アンダーパー。頑張りますよ」とボルテージが上がった。

　現在、賞金ランキングは65位と、15年から続く、賞金シード獲得へ黄信号が点灯中。出場資格があるのは、次週から2戦だけだが、「なんか、いけそうな気がしてきた」といい、「（シード獲得は）ほぼ赤信号だけど、残りは優勝狙いです。それから、パー3は全ホールで、エースを狙います」と、こちらまでうれしくなるような、ネバーギブアップ宣言が飛び出した。

　7日は立冬。冬の始まりだ。季節が変わり、勝負の流れまで、たった1球で変わった。数少ない、江戸っ子プロゴルファーである。追い詰められて逆転。気っ風がいいドラマを演出してほしい。